大企業の営業現場では効率化のためのSFA(営業支援システム)の導入・活用が進んでいる。しかし、営業担当者の数が限られる中堅・中小企業の中には、導入コストの高さや運用面での煩雑さから本格的なSFAの導入をためらう例が少なくない。そこで注目されるのが、使いやすさで定評のあるSky株式会社の法人向け営業名刺管理サービス「SKYPCE(スカイピース)」だ。どういうことか。Sky株式会社の金井孝三執行役員に解説してもらった。

営業案件の“見える化”をスムーズに実現

企業の営業活動において、顧客情報の管理や商談の進捗状況の社内共有は欠かせない。この作業を効率化すべく、近年はSFAを導入する企業が増えている。

しかし、「まだDX推進の初期段階にあって導入しても活用できそうにない」、「営業担当者が少人数で費用対効果が見込めない」といった理由から、二の足を踏んでいる企業も多いのではないだろうか。

こうした現状について、法人向け営業名刺管理サービス「SKYPCE」を展開するSky株式会社の金井孝三執行役員は、「営業案件を“見える化”できずに困っておられる企業様は多いんです」と語る。

「特に営業担当者が3~5人程度の場合や、複数の拠点を抱えている企業様で、全拠点に合計20人程度の営業担当者がおり、各拠点に少人数を配置されている場合には、各営業担当者が抱えている案件の内容や進捗をメールやエクセルで共有することになりがちです。すると上長の方が受注予測を立てたくても、必要な情報がなかなか探し出せない。とはいえSFAの導入にはコンサルティングも含めて高額な費用がかかりますし、本格運用するにはIT人材も必要になってきます。そこまで豊富な機能はいらない、営業の“見える化”だけを実現したいという企業様にピタッとはまるツールが、世の中になかったんです」

そこでSkyでは、2026年5月よりSKYPCEにSFA機能を標準搭載。名刺情報を簡単に登録・共有・検索できる従来の機能をより使いやすく改善した上で、さらに案件管理をスムーズに行える機能を追加した。

【図表1】営業活動の可視化に役立つSKYPCEのSFA機能
名刺交換した見込み顧客をリードとして登録し、案件情報や営業活動の履歴をひも付けることで、SKYPCE上で一元管理できる

追加されたSFA機能は主に5つだ。第1は「リード(見込み客)管理」。名刺交換した見込み顧客を登録してその確度を共有する機能で、これにより確度の高いリードを効率的に育成できるようになるとともに、機会損失も防ぎやすくなる。

第2はリードが案件化した際に情報を一元管理できる「案件管理」で、組織全体で営業状況を把握し、担当者や管理職の状況判断を支援するのに役立つ。第3は案件と取引先情報を紐づける「取引先管理」、第4はリードや案件ごとの営業履歴を記録・蓄積する「活動記録」で、いずれも属人化しがちな顧客情報の共有や営業の横展開などに活用できそうだ。

【図表2】ひと目でステータスがわかるリード一覧の画面
将来的に商談や取引を行う可能性がある見込み顧客の名刺情報を元に「リード」として登録。組織全体で共有しながら、それぞれのアプローチ状況も可視化する。リードの育成状態をわかりやすく可視化するステータス機能も備えている

※記載の企業情報および人物は架空のものであり、実在の人物や団体などとは関係ありません。

特に活動記録は、単に担当者本人が記入するだけでなく、上司や管理職などのマネジメント層がコメントやリアクションを返せる機能も備えている。例えば記録を見た上司が、取引先に提出予定の見積もりに対してアドバイスを書き込むといったことも可能だ。この機能、実は、ユーザーの要望に応えて取り入れたものだという。

「簡単なアドバイスなら電話で伝えればいいと思うかもしれませんが、お客様によれば、営業は日中、商談で忙しいので、結局は定時後に電話することになってしまうのだそうです。でも今は働き方改革が進んでいますから、『定時後に電話するのも気を使いますよね。だからコメント機能がありがたいんです』と。なるほどと思いました」と金井氏。

Sky株式会社 執行役員 金井孝三
Sky株式会社 執行役員
金井孝三

簡単に導入できて、すぐ使えるサービスを

SKYPCEに搭載されたSFA機能の第5は、次の営業アクションを登録しておくと通知が来る「リマインダー」機能だ。営業活動において受注率を最大化するには、顧客の意思決定タイミングに合わせたフォローアップが欠かせない。

だが、それが商談の数週間後や数カ月後で、しかも1人で案件を何件も抱えているとしたら、どうしても抜け・漏れが起こりやすい。その点、リマインダー機能があれば、次の営業タイミングをチーム全員で共有でき、抜け・漏れをなくせるというわけだ。

さらに、活動記録にはAIが搭載されており、蓄積されたデータを営業担当者やマネジメント層のオーダーに合わせて要約・分析することもできる。これもまた、活動記録を実際に確認する立場である、上司やマネジメント層のユーザーの「情報量が多すぎると全部見ていられない」という声から取り入れたものだ。

【図表3】
「活動記録」に蓄積された営業履歴を、営業担当者やマネジメント層のオーダーに合わせてAIが要約・分析。ポイントを絞った状況把握に役立てたり、今後の営業戦略の参考として活用したりできる

※記載の企業情報および人物は架空のものであり、実在の人物や団体などとは関係ありません。

「AIを使って必要な情報だけをご提供するようにすれば、営業を取りまとめているマネジメント層の方々の生産性向上や業務時間短縮、ひいては判断の質の向上に寄与できるのではないかと考えました」

そう述べる金井氏によれば、SKYPCEのSFA機能の特徴は、ユーザーの声を聞きながら作り込まれていった点だという。前述の機能のうち、最初に提供を開始したのは活動記録だ。するとそのうちにユーザーからさまざまな要望が寄せられるようになり、金井氏は「お客様が希望されている機能を一つ一つ足していくうちに、『これはもうSFAとして使えるよね』ということになりまして」と笑う。メーカーからの押し付けではなく、あくまでもユーザー目線で作られたのがSKYPCEのSFA機能なのだ。

そもそもSKYPCEは「法人向け営業名刺管理サービス」であり、会社の営業力を強化するために名刺データと活動記録を紐づけるのは理にかなった機能強化といえる。

金井氏によれば、「SKYPCEは単なる名刺管理ツールだと思われがちですが、BtoBの企業様においては『名刺管理イコール取引先管理』であり、蓄積した名刺データは顧客データベースそのものです。そうした機能を持つSKYPCEを先にご提供していたからこそ、SFA機能も自然な流れで追加できたのだと思っています」。

多くの利便性を備えながらも、SFA機能自体は至ってシンプルだ。見積もりの作成や受発注管理といった機能はなく、細かなカスタマイズもできないようになっている。あえてシンプルにしたのは、「簡単に導入できてすぐ使えるものを作ってお役に立ちたい」という強い思いからだという。

考えてみれば、営業活動をしている企業なら、見積もり作成や受発注管理のシステムはすでに持っている場合がほとんどだ。また、本格的なSFAは導入してもそのままでは使えないため、活用する前にコンサルティングを受けて現状の営業活動を調査し、活動手法に合わせたカスタマイズ作業が発生することになる。そもそも、営業活動のIT化やDX化を担う人材がいない企業では、その作業がネックになって“導入しただけ”で終わってしまうこともあるという。

「そもそもSFAはITの専門家ではなく、営業の方々が使うものです。使い方が難しいと使っていただけません。また、営業の方々は商談のために社外へ出ていく時間が多いですから、特別な研修や説明会が必要だとなったら、さらに導入のハードルが高まります。そこで私たちは『今日からこれ、使います』と渡されたらすぐに使えるくらいの簡単さが必要だと考え、利便性とのバランスを慎重に見極めながら設計しました」と金井氏は語る。

機能を充実させ、他社SFAとの連携も強化

SFAの導入に二の足を踏んでいた企業にとって、有力な選択肢となるSKYPCE。一方で、金井氏は「すでに他社さんのSFAを導入されているお客様に対しても、デジタル化した正確な名刺データの提供やAIなど、お役に立てる機能をご提供していきたい」と語る。

現在、SKYPCEはSalesforceやkintoneといった他社のSFAとも、追加費用なしに標準機能で連携できるようになっている。実際、それらを導入している企業においても、名刺管理にはSKYPCEを使っているというケースがほとんどであり、顧客の連絡先の確認にもSKYPCEのスマホアプリを使用している。また、これらSFAでは名刺情報の登録は手入力ではなく、帰社後スキャナで取り込むことが可能だが、SKYPCEなら営業担当者が名刺データ取り込みのために会社に戻る必要もない。出先でも、スマートフォンで撮影した名刺の写真からデジタルデータ化することで、正確な名刺データを蓄積してくれるからだ。

この連携は、現状ではSKYPCEから他社製SFAに名刺情報を出力する形になっているが、SKYPCEにAIが搭載されたことで、将来的には双方向での入出力も可能にしていく方針だ。

金井氏が言う。

「SKYPCEは年に複数回のバージョンアップを行い、機能追加をしていきます。私たちのSFA機能を使う企業様と他社のSFAを使っている企業様とでは、お客様が求める機能が違います。その両方にお応えできるよう改善を進めていきたいと考えています。もちろんSFA機能も、今後もお客様の声を聞きながらもっと充実させていきます」