業界セミナーにおいて、順天堂大学大学院・泌尿器外科学教授の堀江重郎先生が講演を行った。メンズヘルスや泌尿器がん治療などに積極的に取り組む堀江先生が語った、男を磨くカギとは? 健康の指標とは?

男なら知っておきたい
テストステロンの力

「男を磨く40歳からの健康法」をテーマに講演。興味深いデータが多数示された。

健康が気になる一方、いよいよ働き盛りの40代。これまでにも増して男に磨きをかけたい年代でもある。健康法も自己啓発法もさまざまあるが、「ホルモン力が40代からの人生を変える」というのが、堀江重郎先生による力強い一言だ。

堀江先生が指すホルモンとは、主にテストステロンのこと。男性ホルモンの代表格である。その働きは非常に幅広い。カラダづくりや多くの機能に関与するのはもちろん、社会学的研究からもテストステロンは3つの異名をもつ。

堀江重郎●ほりえ・しげお
順天堂大学大学院
泌尿器外科学教授 医学博士
1960年生まれ。東京大学医学部卒業。米国留学、東京大学講師などを経て、2003年、帝京大学主任教授に就任し、あわせて12年より現職。近著に『ヤル気が出る!最強の男性医療』がある。

「まず、冒険のホルモンです。テストステロンは狩猟や旅など、新しいチャレンジへの憧れを生みます。次に、社会性のホルモン。仲間・家族・他人とのつながりや、縄張り意識に関係しています。そして、競争のホルモン。ゲームやスポーツで勝ったり、仕事で達成感を得たりしたとき、テストステロンは増えています」

つまりテストステロンが多いと、意欲やチャレンジ精神が増し、社会のなかの自分を強く意識し始め、例えばボランティア活動をしたり、正義感が高まったりする可能性がある。人物像としては、さしずめ半沢直樹といったところか。もし彼がトレーダーだったら、思いきった決断で大きな利益を上げそうな気がする半面、損失も大きくなるかもしれない。冒険やチャレンジ、競争は、言い換えればリスクでもあるからだ。

テストステロンのことを知るにつれ、堀江先生が「ホルモン力が人生を変える」といった意味も見えてきた。ここで、自分の利き手の、人差し指と薬指の長さを比べてみてほしい(下図参照)。

「薬指のほうが長い人は、テストステロンの分泌が多いタイプ。顔が長い人も同じです。ちなみにテストステロンを上げる食べ物には、タマネギ、ヤマイモ、ニンニク、アボカド、ニンジンなどがあります」