どんな問題が出てくるかわからない

――つまり、受験生はこういったフィクションを交えたような問題が出ても耐えて、冷静さを保つ必要があるわけですね。

【横田】いや「受験生を耐えさせている」と思われたら、大学入試センターとしては心外だと思いますよ。

【越田】ちょっと脅かすように言うとしたら、「共テでは、どんな問題が出てくるかわからないので心しておいて」ということ。ただ、一見、突飛な設定でも、最終的に“変”な問題は出ないという前提で解いてもらった方がいいです。

【横田】共通テストに関して言えば、変な問題だと感じたら、おそらく読み方が間違っているので、「問題をちゃんと読もうね」とアドバイスしたいですね。

――こういった問題になったことで、実際に高校生・大学生の学力向上にはつながっているのでしょうか?

【横田】センター試験にはセンター試験の良さがありました。しかし、これからの社会を見据えたとき、単純に答えが一つ、パッと出てくるような問題よりは、共通テストのように、さまざまな情報をもとに答えを導き出していくという思考プロセスの方が、AIに代替されないような人材になっていく上で必要なものではないでしょうか。

【越田】そうですね。もう丸暗記だけができる人材は要らないというメッセージは感じます。そのために、例えば世界史なら「世界史半分、国語の読解が半分」というテストになってしまってはいますが……。

【横田 】高校の定期考査などで共通テスト型の問題を採り入れるようになった学校もあるので、普段からそういう思考で授業に取り組んでいる生徒さんが増えているのではないかなとは思います。

試験を受ける学生
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AIに負けない人材を育てるため?

――今回で共通テストは6回目ですが、これからの日本のインテリジェンス向上につながっていくのでしょうか?

【横田】つながっていってほしいですし、具体的に成果となって表れてくるのはこれから先だと思います。大学に進んだ後、ゼミなどでもそういう思考力は生きてくる部分もあると思いますので、期待したいところですね。

――今年、難しかったと言われたのが「数学I,数学A」(中間集計その2の平均点100点中47.26点)、「情報」(同・平均点56.66点)でした。

【横田】「数学I,数学A」がすごく難しかったという受験生の感想は散見されますが、過去にも、たとえば2022年度の「数学I,数学A」では37.96点という衝撃的な低い得点になったこともありました。その年に比べれば、言われるほど難しいというレベルではないかと。いくら「数学I,数学A」が難しいと言われても、難関国立大学の2次試験の問題と並ぶような難しさではありません。