偏差値50台でも進学実績は「女子御三家」に肉薄

②頌栄女子学院中学校・高等学校(東京都・偏差値59)

2校目は、頌栄女子学院(東京都、最低偏差値59)を挙げたい。明治時代に開校した歴史あるミッション系女子校で、都心屈指の高級住宅街・港区白金台に立地する。2025年の大学合格実績は、慶應大35人、早稲田大27人。卒業生の約4割が東京一科・早慶に進学し、MARCHまで含めればその割合は約7割に達する。

進学実績では格上とされる女子御三家(桜蔭・女子学院・雙葉)に迫り、新御三家(豊島岡・鷗友・吉祥)を上回る年もある。入学難易度を踏まえると、トップクラスの費用対効果を誇る進学校だ。

最大の強みは、学校全体で英語を強みにする仕掛けにある。学内図書館には洋書が5000冊以上揃い、これらの蔵書やオンライン教材を活用した多読が義務化されている。また、中学段階では英語スライドを用いたプレゼンテーションや書き取りを重視し、高校ではディスカッションやディベートへと発展。単なる受験英語ではなく、実際に使える英語力へと段階的に引き上げるカリキュラムが整っている。

頌栄女子学園中学校・高等学校
頌栄女子学院中学校・高等学校(写真=IZUMI SAKAI/Attribution/Wikimedia Commons

帰国生との「混合クラス」がカギ

もう一つの柱が、帰国生の存在だ。同校では全体の約2割が帰国生枠での入学者で、一般生と帰国生は混合クラスで学ぶ。日常的に異文化や英語環境に触れることで、非帰国生にとって英語力を高めるモチベーションが自然と生まれやすい。その結果、非帰国生であっても約3割が中学3年修了時点で英検2級に到達する。

主要進学校の中でも珍しく文系志向が強い。文系比率は約70%に上り、御三家・新御三家の20~50パーセント程度と比べても突出した水準だ。難関私大入試では、英語や社会、小論文の完成度で勝負が決まる。特に小論文では、抽象度の高い課題文を読み解き、自らの立場を論理的に示すことが問われる。帰国生の多い環境で培われた多様性への理解や表現力は強みとなりやすい。

なお、難関大学合格者は帰国生が多いと思われがちだが、合格者の大半は一般枠入学者となっている。指定校推薦枠(青山学院大・早慶など)も複数あるが、学校としてはあくまで一般入試で戦える学力養成を掲げている。英語を武器にして最難関私立文系大を目指す女子にとって、偏差値以上の結果を出せる進学校といえる。