両親が内緒で外食したことに、娘が激昂
ところが受験が近づいてきたある日、彼女が塾に行っている間に両親がこっそり外食をしていたことが発覚。彼女はきっと、自分だけが我慢していることに耐えられなかったのでしょう。怒りが抑えられず、両親に激しく気持ちをぶつけたそうです。
幼い頃から私に厳しく接してきた両親が、決め事を守らず、私を除け者にして自分たちだけ楽しんでいる――その事実を知ったとき、彼女の心は深く傷ついたのではないかと容易く想像されます。
両親も反省したのか、「合格したらまたみんなで行こう」と約束し、それ以降はそうした行動はなくなったそうです。彼女はその約束を励みにして受験に専念。現役で合格を勝ち取りましたが、当時のショックの大きさは計り知れません。
受験は、自分一人の力で挑まなければならない闘いです。受験生は試験の結果ひとつで人生が大きく変わってしまうという重圧を、たった1人で引き受けています。大人になると懐かしい思い出のようになってしまうかもしれませんが、我々にはもはや想像もつかないほどの孤独感を抱えています。家族はもっとも近くにいるからこそ、常に「私たちは味方である」という言外のメッセージを発し続けることが大切なのです。
母の一言で、息子は壁に穴をあけた
【タイプ3:成績に口を出す】
3つ目は、成績や結果に対する不用意な発言です。
受験生の中には、本番が近づくにつれて思うように成績が伸びず、不安が増大していく人もいます。結果が数字としてはっきり表れてしまうだけに、本人はもちろん親御さんが心配になるのも当然でしょう。
しかし不安や焦りは、親御さんが感じる以上に、ほかでもない受験生本人が一番強く感じています。自分が一番よくわかっているからこそ、親から口を出されて良い気持ちはしないものです。
関東の私立男子校を卒業し、1浪で東大理3を目指していた受験生の事例は痛烈でした。彼は研究者志望でした。10月下旬に医学部受験生の多くが併願校として受験する防衛医科大学の一次試験で、彼はまさかの足切り。その後、ショックを受けて落ち込んでいた彼に対し、母親は「こんなんじゃ研究者になんてなれないわよ」と言い放ったそうです。
その瞬間、彼は激昂。壁を思い切り殴りつけ、穴をあけたそうです。部屋に戻って布団をかぶり、丸くなったとも話していました。その日は勉強が手につかなかったそうです。翌日には心を立て直して予備校に行ったそうですが、当時の心の傷はいかばかりだったでしょうか。


