子どもの「乗り越える力」を信じる
数日後、子どもは何も言わずに部活に行き、やがて部内で自分の居場所を取り戻していきました。
「あんなことがあっても、結局やめずに続ける道を選んだんだね」
その姿に、親御さんは子どもの中に芽生えた「乗り越える力」を感じたそうです。
親に求められているのは、子どもが自分で考え、自分なりの答えを出すのを、そっと見守ることです。もし子どもが悩みを打ち明けてくれたなら、「そんなことがあったんだね」と、プラスでもマイナスでもない中立的な言葉をかけてあげてください。
間違っても、「そんな相手なら○○って言い返せば?」とか、「それは相手にもこんな気持ちがあったんじゃない?」などと返さないことです。その上で、「手伝えることがあったら言ってね」「いつでも力になるよ」と、言葉にしてあげることが大切です。
頼まれたことだけ対応しよう
その結果、「お母さんから先生に話してほしい」などと子どもから具体的なお願いの言葉があれば、そのとき初めて対応を検討すればいいのです。
また、「お母さんだったらどうする?」と意見を求められることもあるでしょう。そんなときは、「お母さんだったら、こんなふうにするかな」と答えてもかまいません。
ただし、そのときは「いい? これはお母さんの場合だからね。あなたとお母さんは違う人間だから、この方法でうまくいくとはかぎらない。もしかしたら、うまくいかないこともあるかもよ?」と、一言添えてください。そうした前提を伝えたうえで、最終的には子どもが自分で決めればいいのです。


