YouTubeをやめられなかった息子
私の息子はYouTubeを観ることが好きなのですが、一時期勉強中もやめられないほどハマってしまい、その結果、彼自身が後悔した出来事があります。もちろん、家庭で使用するタブレットなどYouTubeを視聴できる端末には制限機能をかけていました。では、息子はどうやって制限時間を超えてもYouTubeを観ていたと思いますか?
なんと、学校から貸与された端末のゲストモードで観ていたのです。息子が学校から貸与された端末は、残念ながら親からは制限できませんでした。息子がYouTubeを観ながら定期考査の勉強をしているので、「それでは気が散って勉強にならないから、勉強のときは観るのを止めたら」と指摘しましたが、「観ながらでも勉強できる!」と強気で、観るのをやめませんでした。
そこで、私は思案した挙げ句、あえてそのまま放っておくことにしました。制限機能だけで制限することは難しく、本人にその気がなければ効果に乏しいと思ったからです。受験生ではないので、自分の思うとおりにやったらどうなるのか、しっかり失敗を体験してみるいい機会ではないかと考えました。
勉強部屋から笑い声が聞こえてきたり、開いている問題集のページが同じところで2日くらい止まっていたりしました。それでも、あえて何も言いませんでした。
テストの点数が下がり学年順位も低下
その結果、定期考査の点数がかなり下がってしまい、学校内の順位も落ちてしまいました。順位表を私に出したがらず、「順位がものすごく落ちた」と肩を落としていました。不本意な点数と順位を取ってしまったことは明らかで、本人も見るからにショックを受けていました。
「原因は何だと思う?」と聞くと、本人から「YouTube」と返ってきました。「じゃあ、次はどうしたらいいと思う?」と聞くと、「テスト前だけ端末を預ける」と自分から言い出しました。
そこで、次の定期考査前は、学校のタブレットを含め、私がすべての端末を預かりました。はじめは静かなのが気になったようですが、すぐに慣れて集中して勉強できるようになりました。休憩中などに、「端末を返そうか?」と言いましたが、意外なことに、「いらない」と観たがりませんでした。
結局、端末を預けて勉強した結果、順位も点数も大幅に上がり、元に戻りました。「勉強したら、このくらいの点数はとれるんだ! よかった!」と、本人が安心したように言っていたのが印象的でした。
「子どもに制限機能をかけたのに破られた」
「ルールを決めたのにいつの間にかなし崩しになった」
そのようなご家庭は多いはずです。では、なぜこのやり方はうまくいったのでしょうか。


