いまの子どもたちは、僕たちの時代よりもかわいそう

義務教育を受ける理由なんか、もうまったくないと言っても過言ではない。それでも就学年齢に達したら、学区内の小学校に通わなくてはいけない、いまの子どもたちは本当にかわいそうだ。スマホがあるというのに、文科省の規定に沿った「オールB」人材用の教育を受けさせられる。僕たちの時代よりも、かわいそうな立場だと思う。

現在の教育現場で教えられることは、リアルな体験以外、すべてテクノロジーで代用できる。この事実を、学びに関わるすべての人たちは理解してほしい……と言いたいが、理解はしているけれど変えようがないというのが、実際のところだろう。だから僕たちは『ゼロ初等部』という既存の公教育とは異なる“新しいタイプの学校”(オルタナティブスクール)で、義務教育のバージョンアップに挑むことにした。

もう変わりようがないと、諦めているわけにはいかない。動いてみないと、変わらないものが本当に変わらないのか、わからないだろう。一部の児童が寡占している、学びの喜びを、すべての子どもたちに公平に与えたい。そうすれば「超AかD以下」の子どもが、教育現場で弾かれるような不幸は、大きく減らせるはずだ。

成績表
写真=iStock.com/takasuu
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不登校児童は過去最多を更新した

2024年の秋に、文科省が不登校児童の調査結果を発表した。令和5年度に全国の小・中学校で30日以上欠席した不登校の児童は、34万6482人。その前の年と比べて4万7000人余り(約15%)増加となり、11年連続で増え続け、過去最多を更新したという。このうち小学生が13万370人で、10年前からは5倍の数になったそうだ。

不登校になった理由としては「学校生活に対してやる気が出ない」が32.2%と最も多く、次いで「不安・抑うつ」が23.1%、「生活リズムの不調」が23%だという。いずれにしても、多くの子どもたちにとっては学校に行くことが、とてつもなく苦痛だという事実が見て取れる。

なお、いじめの件数は認知されただけでも小学校では58万8930件にのぼるという。中学・高校・特別支援学校で発覚した件数を合わせれば73万2568件、前の年度より5万件余りが増え、これも過去最多となったそうだ。

そして、自殺に及んだ児童は、全体合わせて397人で、過去3番目に多くなったという。何とも、言葉にできない、ひたすらいたましいデータだ。

以上はデータに示された数字でしかない。不登校児もいじめも、自殺にまで追い詰められる子どもも、実際には、もっと多いと思われる。文科省は現状、有効な対策を打ち出しているわけではないので、今後も増加する可能性は高いだろう。