おおよその「角の大きさ」や「線の長さの比」を見た目で見抜く力
この4つのステップは実に基本的なものですが、中学生・高校生で図形につまずいている生徒たちのつまずきの元をたどっていくと、多くの場合、小学校で習うこれらの基礎が分かっていないということに行きつきます。
たとえば「平行四辺形とひし形の違いは?」という問いに答えることができず、そもそもそれ以前に、「四角形とはどんな図形」という問いに答えることができないケースも多く見られるのです。
図形分野も、ほかの算数・数学の単元と同じように「階段」型に学習を積み重ねていくことが必要です。そのため、途中でつまずくとどんどん分からなくなり、そのまま図形に苦手意識をもってしまうことがよくあります。
ですから、中高生で図形が苦手という生徒は、ぜひもう一度これらの基本に立ち返ってみてください。
また、図形に強くなるためのコツとして、「角の大きさ」や「線の長さの比」などが、見た目めでどれくらいか見抜けるようになることが大切です。
角度や長さの比などのおおよその見当をつけられれば、問題を解いたときに見た目とまったくちがう答えが出たときに、「あれ、おかしいな?」と自分のミスに気がつくことができます。
こういった感覚を養うには、図形の角度や辺の長さの比などをまず予想してみて、実際に分度器や定規で計った数値と比べてみる、といったトレーニングを重ねていくといいでしょう。
「図形」を解くカギとなる特別な能力
算数の中でも「図形」に苦手意識を持つ生徒が多いことには理由があります。
それは、算数で必要な「計算力」と「論理的思考力」の2つの力に加えて、図形の単元ではさらに第3の力である「空間認識力」が必要になることです。
この「空間認識力」とは、簡単に言うと「物体の位置・形・方向・動き・構造などを把握する力」、またそれを「頭の中で立体的にイメージし、操作・理解する力」です。
先ほどお話しした角の大きさや線の長さの比などを目視でおおよそ判断する力も「空間認識力」と関わってくる力になります。
難しそうに感じる「空間認識力」ですが、その正体は「図形への慣れ」です。つまり「生まれ持ってのセンス」ではなく経験を積むことによって養うことができます。そして経験は、勉強の中だけではなく遊びや普段の生活の中でも積まれていきます。
たとえば、「ドッヂボール」は非常に良い例です。限られた空間で自分の位置と相手の位置の関係や距離感をしっかり把握したうえで遊ぶ競技ですから、広さという感覚や位置の感覚、ボールのスピードの感覚といったさまざまな感覚が養われます。
パズルや積み木なども、子ども自身が興味をもって遊ぶのであれば、図形の理解や空間認識力を高めるのには効果的です。
その際の注意点は、①選ぶときは一緒に選ぶこと、②子供が興味を示さないときは強要しないことです。
また、興味を示すものであればゲームでもかまいません。たとえば「マインクラフト」というゲームは、立体図形を身近に感じることができ、空間認識力を養うことができるのでおすすめです。


