反抗したくてもできない子に残る“傷”

児童精神科の立場から見ると、子どもが反抗できる背景にあるのは、親は離れていかないという絶対的な安心感があるというケースが多いです。つまり、反抗できる背景には、安心感や信頼関係があることが多いのです。

これを聞いて「うちの子は反抗期がない」と心配する必要はありません。最近は反抗期がない子も多いと言われていますが、反抗期に関してはかなり個人差があります。

ただ、親によって感情が抑圧されていたり、自由に感情が出せなかったりする環境ゆえに、本当は反抗したくてもできないのであれば、それは心配すべきケースです。私が心に悩みを抱えた大人の診察の際に、反抗期があったかを聞くのもそのためです。

「あなたはどうしたい?」と問いかける

親にとって反抗期は、子どもをコントロールしたい気持ちと、子どもを信じようとする勇気とのせめぎ合いですが、信じることを選べば成長の糧となるはずです。先が見えないように感じられるかもしれませんが、いつか終わりが来ることがほとんどです。

また、親自身の更年期と子どもの反抗期が重なってつらいという訴えも聞きます。まずは自分を労ってほしいです。そして、つらい時は1人で抱えずに助けを求めてください。スクールカウンセラーでもいいですし、児童相談所などの公的機関に相談するのもいいでしょう。

私がいつも診察室でお伝えしていることがあります。子育てで本当に大切なのは、子どもが生きたいように生きるのをサポートすることです。では、その答えはどこにあるのかというと、親御さんが考えていることが必ずしも正解ではないですし、私のような専門家の中にもその答えはありません。答えは子ども自身の中にしかないのです。

だから、日頃から子どもの心の声に耳を傾けること、そして「あなたはどうしたい?」という問いかけをしていくことがとても大事です。