子育ての「~すべき」を疑うチャンス

見方を変えれば、反抗期とは「子どもが親に反抗する時期」なのではなく、「親が子どもをコントロールしようと思ってもできなくなる時期」なのではないでしょうか。

反抗されたと思うから、親も苦しくなってしまう面もあると思います。

これは反抗期に限らず、子育て期を通して言えることですが、親が子どもに対してイラッとしたり、難しさを感じたりする時、親自身が抱えている「こうすべき」という理想や固定観念にとらわれている可能性があります。

もし、親御さんが「子どもが反抗して困っている」と感じるなら、無意識に「子どもは親に従うべき」「自分の思い通りの子になってほしい」という価値観を押し付けようとしていないか考えてみてほしいのです。

「なぜ、この子は私の言うことを聞かないのか?」という問いを、「なぜ、自分は反抗されたと感じたのか?」「どうして、それをダメだと思うのか」と変えていくことで、自身の子育てを見つめ直すチャンスになります。

親子関係にヒビが入っても、自然と直る

私が診察で出会った親御さんたちも、思春期のお子さんとの関係に悩んでおられる方はとても多いです。例えば「一緒に食事をするのを嫌がられる」「ちょっとした言葉にも反発される」といった場面に強いショックを受けて、どう接してよいかわからなくなってしまうケースです。

ある親御さんは「こんな言い方をされた」「こんなこともできない」とくり返し話していました。私は「理想とする態度ではなかったんですね」と気持ちを受け止めながらも、「どうしてそれをひどい言い方だと感じたのでしょう?」「なぜできないことを良くないと思ったのでしょう?」と問いかけを続けていきました。

後にその方が、私の書籍に書いた「反抗という言葉は適切ではない」「反抗期は親が押し付けている価値観を見直す機会」という内容を読んでくださり、「初めてこれまでの関わり方を振り返ることができました」と話してくれました。

そこから少しずつ「〜すべき」を手放し、お子さんの行動を見守れるようになった時、親子関係が自然に改善していったのです。