児童精神科医の至言「親はすっこんでろ」

そうはいってもわが子にひどい言葉を投げかけられたり、無視されたりするのはいたたまれないでしょう。「この時期、親はどう過ごせばいいですか?」というご質問もよく寄せられます。

これについては、私が尊敬する信州大学医学部教授であり、児童精神科医の本田秀夫先生の言葉「親はすっこんでろ」が最も的確だと思います。何かしらコントロールしようとすると、関係が悪化することになりかねないからです。

こう言うと「このまま勉強せずに、高校に行けなくなったら困ります」と心配する親御さんもいます。もちろん進学や学業は大切ですが、それ以上に大事なのは子ども自身の選択や意欲です。でも、なぜ高校に行けなくなると困るのでしょうか。

実は「勉強しないと困る」と考えている親自身が、「学生時代にもっと勉強しておけばよかった」という後悔を子どもに重ねているというケースもあります。

反抗期につき合う友達が変わって、「問題行動の多いグループとつき合うようになったらどうするのか」と言われることもあります。どうして問題行動の多いグループとつき合うと心配で、優秀な友達とつき合っていれば安心なのか。すべて自分の問いに変えてみてほしいのです。

会話ができる時に、親の気持ちを伝える

結局、親は見守るしかありません。ただし、見守るのと見放すのは違います。そして、すべて許すということでもありません。もし、親に暴力をふるうなどの行為があった場合は、毅然とした態度で警察や児童相談所など、適切な機関に相談することも大切でしょう。家庭内で隠したことで、結果的に状況が悪化するケースは多いです。

ただ、激しく反抗しながらも、実は親に対して申し訳ないと思っている子も少なくありません。365日、24時間全く親と口をきかないわけではないと思うので、たまに話ができた時に「お母さん、久しぶりにあなたとしゃべれてうれしかったな」と言葉にしていくのは大事だと思います。

ソファーに座った息子と目線を合わせ、手を握りながら話しかけている親
写真=iStock.com/MTStock Studio
※写真はイメージです

また、どんなに強がっていても、思春期は人間関係が複雑だったり、実は学校でのトラブルを抱えていたりということもあります。「何か困っていることがあったら言ってね」という言葉は常に伝えてほしいです。