小学生から始める場合目指すレベルはどのくらい?

【辻】小学生がゼロから英語学習を始める場合、最初のステップは何になりますか?

【尾島】未就学児から小学校低学年くらいまでの場合は「リスニングから始める」という明確なステップがありますが、3年生以上になると、そうとも言えず曖昧になってきますね。

そもそも、小学生は学校以外にも塾や習い事、友達付き合いなどで家にいる時間が短いので、いわゆる幼少期に時間をかけて行うおうち英語とは別物となります。インプットから自然に言語を習得するのは幼少期の話です。

小学校入学後に英語を始めるなら、短時間で効率的に勉強として進めていく、それも先生から説明を聞いて学んでいく、いわゆる座学のスタイルになりますね。中学受験をして基礎学力を上げて、中学に入ってから英語をがんばって、留学などでスピーキング力をつけていくなど、あとからぐっと伸びる人はいます。

ただし、幼少期の早い段階で英語の大量のインプット(リスニング)を続けたら、最初は成果が見えにくいですが、あるときからぐっと伸びていくことができ、ネイティブに近い能力を身につけやすいことがわかっています。一方で、中高生、大人になってから英語に力を入れ始めると、前者より学習成果が早く見えやすいものの、あるレベルまでいくと越えられない壁を経験する……というのが、現状の研究でわかっていることです。

スタート年齢で成長の仕方が変わる

中学生や高校生に比べたら、小学生はまだまだ時間的に取り組める余裕があります。その時期に、英語教室に行かせるのはアリですね。

【辻】通える時間数が少なくても、ゼロよりはやったほうがいいのでしょうか?

【尾島】はい。英語習得には、とにかくインプットや学習時間の総量が重要ですから。英語に接する時間が長くなれば、長くなるほどいいです。ただ、週1回だけ教室に通うなら、目指すラインは「英語に慣れ親しんで単語がわかるようになる」くらいが現実的でしょう。開始が小学生なのにネイティブのように話せるようになることを目指すと、身についていないように感じるかもしれません。毎回少しずつでもインプットを積み重ねられていると思えば、無駄にはならないことはわかるはずです。そのあたりの目標設定はゆるく設けるのがいいと思います。

小学校高学年であれば、内容に知的な面白さがあるものを見せていくのもアリです。「英語ができるだけ」では社会に出てもその英語力を活用できませんから、子供時代に基礎学力を上げていくことも重要でしょう。

【辻】基礎学力は大事ですよね。私の中で、おうち英語はレバレッジ。ほかに何かやりたいこと、伸ばしたいことがあって、それを飛躍させるのが英語の役割だと考えています。

【尾島】英語のスキルもあるし、別の売りになるスキルもある。二つを統合できれば最強ですね。

焦らず長期的な目線で“継続”を 英語の「蓄積」に無駄はない

※本稿は、『プレジデントFamily2025夏号』の一部を再編集したものです。