“サブスク”の選択も
そこまでの工事ではなくとも、室内の配電盤から新たに配電するだけでもカメラ本体より高額な工事費用が必要だろう(エアコンがなかった部屋にエアコンを導入する場合、エアコン本体と同じくらい配電工事費がかかることはよくある)。もちろん、導入後に映像が配信されなくなったり、カメラ自体が壊れたりしたら修理費も必要である。
また、現代的な導入方法としてサブスクリプションの利用も考えられる。カメラの購入費や工事費、メンテナンスもパックになった月額5000円程度のプランも宣伝されている。イニシャルコストでも膨大にかかるため、ランニングコストも考慮したら“サブスク”が現実的なのかもしれない。
これはあくまでも導入する場合の試算であり、筆者が防犯カメラ導入に賛成ということではないし、推奨しているわけでもない。
避けて通れない個人情報の問題
防犯カメラといえばプライバシーの侵害が語られる。しかし、それ以外にも学校側は考えなくてはならないリスクはある。
たとえば、個人情報の取得にかかる同意がある。2023(令和5)年、個人情報の保護に関する法律(以下、法)が改正され、自治体(学校含む)も同法が直接適用されることになった(以前は、自治体が制定する条例により保護されていた)。
法の定義によれば「生存する個人に関する情報」であり、「特定の個人を識別することができるもの」とされ、「電磁的記録」による情報も含まれる(第2条)。当然、防犯カメラで記録した映像情報も該当する。そして、法ではその情報にかかる「利用目的の特定」(第17条)その「制限」(第18条)、「不適正な利用の禁止」(第19条)が定められ、そのうえで「適正な取得」(第20条)とその「利用目的の通知」(第21条)が求められている。
詳細は述べないが、学校は以上の条文を頼りに個人情報取得の同意を得る必要がある。それは、個人情報を取得される子どもたちからもそうだが、判断能力に乏しい可能性も考えられるため、その保護者からも同意を得るべきだろう。


