教師も安易なデジタル利用は禁止

デジタル機器の授業での使い方にも注意をしていると言います。

教師の中には、便利だからと言ってICT教材を多用して授業や課題を構成してしまう人もいたそうです。それはすぐに子供たちの成績にマイナスの影響として表れました。

「本当に、顕著に考える力が落ちるんです。あれは単なるゲームです。答えが間違っても(子供は機械的に)次の数字を入れるだけで、まったく考えさせない」(小牧理事長)

KISTでは、各生徒の成績について履歴を残している。成績が下がった時に何があったか分析し、改善していく。「ICTを多用する先生になった途端に成績が下がったことなど一目瞭然」と小牧理事長
撮影=プレジデントオンライン編集部
KISTでは、各生徒の成績について履歴を残している。9段階で5以下の場合、対策が実施される。成績が下がった時に何があったか分析し、改善していく。「ICTを多用する先生になった途端に成績が下がったことなど一目瞭然」と小牧理事長

そこで同校では、学校としてのデジタル使用の指針をつくったうえで、ICTを適切に授業で使ったかどうかを教員への評価に反映するようになったと言います。

「『教育信条』の中で『デジタル機器は学習に最も効果的な状況でのみ、慎重に活用されるべきである』と明記しています。ICTには生徒の読解力、数学や科学の理解力、自分で考える力などの重要なスキルの発達や成長にマイナスの影響を及ぼすリスクもあることを理解したうえで、使い方を工夫するように教師に指導しているのです」(小牧理事長)

ノートチェックを実施

たとえば、リサーチやプレゼンテーション、海外の講師によるオンライン講座などにデジタル機器は有効です。一方で、考えたり、覚えたりする作業には手書きが向いていると語ります。

「ノートはタイピングでなく手で書いた方が、確実に内容を理解できます。脳細胞と手先の神経はつながっているからです。手で書くということと、自分で考えてまとめるということによって、神経がどんどん繋がっていきます。考えたり、覚えたりする作業のときにICTを使わせると、いろんなスキルがどんどん落ちていきます」(小牧理事長)

そこでKISTでは、6~8年生に対し、手書きできちんとノートを取っているか、またその内容がどれだけ充実しているかを全教科でチェック。その結果は成績にも反映し、習慣化を図っています。