人生は限られているからこそ、毎日いい時間を過ごす
「記念日や誕生日といった特別な日になにかをあげたりするのは当たり前。それよりもむしろ、毎日の小さなことの積み重ねが大切だと思っています。何でもない日に“良い香りのする花があったから持ってきたよ”というような」
首都圏を中心に人気フラワーショップ「Aoyama Flower Market」を展開する、パーク・コーポレーション代表取締役の井上英明氏。贈り物の極意を聞くと、そんな答えが返ってきた。
「僕は“いい時間”や“いい空間”をプレゼントしたい。たとえばスポーツをしていて『ああ、この時間損したな』と思う人なんてあまりいないでしょう。そういう楽しく過ごせる時間を周りの人たちにも提供できたらいいなと思って、トライアスロン関連事業の『アスロニア』を設立したのです。花も同じで、飾ることできれいな見た目や良い香りを楽しむことができる。枯れるまでの“いい時間”を贈ることができるわけです」
そしてこういった考えが、氏の展開する事業の核になっている。店舗数を順調に増やしているフラワーショップの運営だけでなく、2008年にはショップ「アスロニア」を中心としたトライアスロン事業、一昨年にはカフェ事業もスタート。すべては「いい時間、いい空間を提供する」という一貫したコンセプトに基づいている。
「人生はろうそくと一緒。生まれた瞬間が一番長くて、あとは刻一刻と短くなっていく。だからその限られた時間をどう過ごすかがとても大切なんです。幸せな時間を過ごすには、五感で感じられる良いモノ・コトがそろっているといいですね。美しいもの、例えばジュエリーや草花、自然や街の風景などを見て、おいしいものを食べて、着ていて気持ちが良いものを身に着けて。いい音楽を聴いたりおしゃべりをしたり、良い香りに囲まれたり……」