保険そのものを払い済みにする手もあります。払い済みというのは、今まで払った保険料でこれまでよりも小さな保険にする方法です。今後の保険料の支払いをストップし、保険も一部残すことができます。奥様の保険は、22歳時に入った保険でしたから、今払い済みにしてもおよそ620万円の死亡保障が残せます。

旦那様ももちろん、高額療養費制度が使えますから、月3000円の医療保険はなくてもいいでしょう。あとは日系生命保険会社の900万円の終身保険とかんぽ生命の500万円の特別養老保険、こちらも払い済みにしてもいいでしょう。

そのうえで、必要な保険を掛け捨てで準備します。子供がいるので遺族年金などを踏まえ、生活費の不足額と教育費をカバーする保険は入っておいたほうがいいでしょう。ケースバイケースですが、専業主婦が残されるなら、共働きより多めの保障をかける必要が出てきます。

保険をかけるのは、子供が大学を出るまでの必要期間までが目安です。例えば1人1500万円の教育費(中学から大学まで私立と仮定)として3000万円の定期保険に入るとしたら、40歳の男性の場合、10年のネット保険で月5000円ほど。今、年間60万円の保険料が、6万円で済みます。

不測の事態は死亡と入院だけではないので、どのような事態にも対応できるよう、現金を蓄えるのが基本。保険はその補完策です。今すべきなのは、子供の中学受験のための資金準備、そして速やかな住宅ローン返済です。このライフイベントを滞りなく乗り切るため、まずは現金を貯めること。保険を見直し、健全な家計づくりに取り組んでほしいと思います。

(構成=プレジデント編集部)
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