2013年4月23日(火)

「コスプレをビジネスにするには(前編)」

秋葉原☆マネタイズ【第6回】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
梅本 克 うめもと・まさる
デジタルハリウッド大学客員准教授 Ph.D.(経済学)

梅本 克

1967年生まれ。1998年、ヴァンダービルト大学(米国テネシー州)卒。米国留学時より少女漫画の翻訳活動を通して日本文化の普及に努め、2005年にアジアアニメーション産業組織体(AAO)を立ち上げて、アジア各地でコンテンツ産業の育成や若手クリエイターの支援を行う。これまで国内外で多くのアニメ、ロリィタファッション、ヴィジュアル系など、日本のポップカルチャーに関わるイベントをプロデュースし、現在は秋葉原に活動拠点を置いて、新しい文化の創造と発信を通した地域活性化プロジェクトに携わる。趣味は仏像鑑賞とコスプレプロデュース。柔道二段と茶道石州流奥傳の資格を持つ。主な関心は秋葉原における趣味文化の経済学。

執筆記事一覧

梅本 克=文(デジタルハリウッド大学客員准教授)
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「仮装」じゃないんです

「秋葉原は憧れの夢の舞台。(コスプレイヤー=みるる 撮影=龍道)」

2010年の暮れ、秋葉原の中央通り沿いにある店舗内に観光案内所が設置された際、開所式で当時の観光庁長官が「秋葉原はコスプレして歩ける街」と紹介して下さいました。このように、秋葉原にはコスプレした人がいつも歩きまわっていると想像している人は多いのではないでしょうか。実際は毎日いつでも、まともなコスプレを見られるわけではありません

日本発祥の趣味文化であるコスプレは、国内外を問わず愛好者が増えたため話題にもなり、最近では一般の方にも広く認識され始めたと感じます。コスプレとは、アニメや漫画などの架空のキャラクターに「なりきる」ことです。それは欧米のマスカレードやハロウィーンなどの「仮装」とはまったく違います。「能面」が変身アイテムである日本の能のように、「コスプレ衣装」をまとうことによって自分とは異なるキャラクターに変身し「なりきる」、創造性の高い遊びなのです。

コスプレ関連ビジネスの市場規模は、衣装の出荷額で推計して400億円を超えるという見方もあります。しかし、この数字だけでコスプレビジネスの可能性を語るのは危険です。玩具業界の市場データと合わせて見ると、この400億円という数字の大部分は、コスプレ衣装とは異なる、パーティなどで使われる仮装用衣装が占めると考えられるからです。秋葉原でもコスプレ衣装を扱う店舗が出始めた2000年直前頃は、コスプレ衣装はアダルトビデオや仮装用衣装と同じ売り場に置かれていました。しかし実際には、「コスプレイヤー」と呼ばれるコスプレを楽しむユーザー層の大多数は、10代の女子です。その子たちがどのようにコスプレを楽しむか、そしてその楽しみをどのようにサポートすればよいかを見据えたコスプレ専門店が、徐々に秋葉原に生まれてきました。

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