高学歴なのに仕事ができない人をどうするか

当然、業務内容によっては、高学歴だが仕事ができない人が一定の割合で存在する。この男性の上司のように「いい大学を出ているのに、あまり仕事ができない」部下の件で相談を持ちかける管理職に何度もお目にかかったことがある。

片田珠美『職場を腐らせる人たち』(講談社現代新書)
片田珠美『職場を腐らせる人たち』(講談社現代新書)

これは、現在の入試制度を根本的に変えない限り、どうしても起こりうる悲劇だ。だから、高学歴なのに仕事ができない人がいたら、本人の適性を考慮して異動させるのは賢明な選択だと思う。ところが、この男性は、苦手な顧客対応をせずにすむ部署へ異動したにもかかわらず、それが不本意だったのか、不満たらたらで、周囲を見下すようになった。

このように周囲を見下し、自分の優位性を誇示する人の胸中には、こじらせた承認欲求が潜んでいることが少なくない。認められたいのに、認めてもらえないという不満がくすぶっており、ことあるごとに「自分はこんなにすごいんだぞ」とアピールせずにはいられない。

もっとも、いくらアピールしても、実績をあげられなければ、周囲から認めてもらえない。むしろ、総スカンの状態になりやすい。だから、余計に不満が募って、さらにアピールする。こうして悪循環に陥っていくのである。

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