化粧品の輸入先1位がフランスから韓国へ

第4次ブーム

第3次ブームから合間を空けず、2020年初頭からのコロナ禍をきっかけに第4次ブームが始まった。ステイホームで、自宅で過ごす時間が増えたことから、定額制配信サービスで「愛の不時着」や「梨泰院クラス」などの韓国ドラマが大ヒットした。2021年にネットフリックスで配信されたドラマ「イカゲーム」は、世界90カ国で視聴数第1位という世界的ヒットを記録した。いち早くオンラインライブを始めたK-POPも合わせて、自宅で楽しめる韓国エンタメが人気を博した。

コロナ禍で韓国へ行けない代わりに自宅やホテルで韓国体験を楽しむことが「渡韓ごっこ」と呼ばれてブームになり、その対象はエンタメだけでなく、韓国ラーメンやダルゴナコーヒー、ヤンニョムチキンなどの韓国フードも流行った。コスメに関しては、日本における化粧品の輸入先では長らくフランスが不動の1位だったが、2022年に韓国が初めてフランスを上回ってトップになった※2。韓国コスメはコロナ禍でも成長を続け、コンビニやドラッグストアで広く取り扱われる定番ジャンルにまでなっている。近年では韓国のナチュラルメイクやジェンダーレスメイクが流行り、男女問わず若い世代からの人気を集めている。

現在もブームは続いている

アフターコロナでも、2023年末の第74回NHK紅白歌合戦にNiziUをはじめとする7組もの韓国アイドルが出場したことが大きな話題となったように、韓流の第4次ブームは現在進行形で続いているもの、あるいは、地続きで新たな第5次ブームが始まっていくものと考えられる。

韓流ブームの推移
図表=筆者作成
出典:参考資料を基に筆者作成。

このように韓流ブームの中身を整理してみると、エンタメ、フード、コスメのいずれかでヒットが生まれると、他の分野にもその盛り上がりが波及し、韓流全体の大きなブームになってきたことが分かる。大きな韓流ブームの火付け役になるヒットの成功条件として、次の3つがあげられる。