進むべき道に迷ったとき、どうすればいいか。起業家の青笹寛史氏は「選択肢はできるだけ多く残しておいたほうがいい。私は医学部在学中に起業して営業利益1億円を達成したが、それは『ダメなら医者になればいい』と考えられたからだ」という――。

※本稿は、青笹寛史『凡人でも「稼ぐ力」を最大化できる 努力の数値化』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

聴診器を首にかけた医師
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国家資格を取りながら医師の道に進まなかった理由

私は大学医学部在学中に起業し、初年度から年間1億円の営業利益を出しました。

そしてそのまま医学部で勉強し続け、医師の国家資格を取得して卒業しました。

この経歴を話すと、「なぜ、実業でやっていけるメドが立っていながら、医師の国家資格を取ったの?」とか、逆に「なぜ、医学部を卒業したのに医師にならなかったの?」といった疑問を持たれることが多くあります。

私が医師の道を断ち、実業一本に絞らない理由。それはひとえに、私が臆病だからです。

「背水の陣」を敷いてうまくいくイメージが、どうしても湧きません。

先日私は、大学生でありながらすでに営業代行で十分な収入を得ている後輩から、「もう大学を辞めて、フリーランス一本でやっていこうと思うんですけど、どう思います?」と相談を受けました。

そのときも私は、「背水の陣」を敷かない選択を勧めました。

大学を辞めず、これまでどおりに「学生兼フリーランス」として働いて、卒業するよう勧めたのです。