日本人は本当に人助けをしないのか

2024年の1月1日に、能登半島は最大震度7の激震に襲われた。それによって尊い命を失われた方々には、心からの弔意を表するばかりである。被災した地域の一日も早い復興をお祈りしたい。

政府、放送局、各財団からの支援の手が速やかに差し伸べられている。そして東日本大震災の時のように、日本国内からだけでなく外国からも支援が送られている。

たとえば、支援活動を行う日本財団の場合、震災から約1カ月の本稿執筆時点で、12万人余りの人々から6億円を超える基金が寄付されているという。

寄付
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しかし、世界では日本の寄付活動や博愛活動は活発なほうだとは考えられていない。英国の慈善団体が発表する世界の国々の人助け度合いをランク付けした「世界人助け指数」で、23年の日本の順位は「見知らぬ人への人助け」が最下位の142位。「寄付」「ボランティア」を含めた総合順位は最下位から4番目の139位だった。

とはいえ、米国に住んでいる私からしても、日本には人助けの伝統が残っているのではないかと思う。そして、今回の能登半島地震に対する日本人の反応を見ると、「日本人の利他心」がこれからより強化されていくように思うのだ。

地震が起きたことは不幸なことではあるが、この機会で日本人の慈善心が目覚め、博愛活動がより盛んになっていくことが望ましい。今回は災害等に寄せられる寄付金、支援金の果たす役割について考えてみよう。