「自分が何を求めているのか」をリストアップ

・準備……自分のことを知っておく

ついおろそかになりがちですが、交渉に臨む前の事前準備、これは超重要です。

ここでの準備は交渉相手の情報を知っておくこと、ではありません。もちろん相手の情報も大事ですが、自分自身に対しての準備をしておくことはもっと大事です。言い換えると、「自分自身が何を欲しているのか」を事前に知っておくことです。

「何だ、そんな当たり前のことか」って思ったかもしれませんね(笑)。

でも、これをしっかりできている人はそれほど多くないはずです。

頭で考えると、「あれが欲しい」とか「いくらで買いたい」「あそこに行ってみたい」「こうしてほしい」というような表面的な願望が出てくるとは思いますが、それがあなたの本当に求めているものかというと、そうとも限らないのです。

ですから、本当にあなたの求めているものが何かを探るために、交渉の前段階として、まずは「自分が何を求めているのか」をリストアップしてみましょう。

実際に紙に書いてみる

これは頭に思い浮かべるのではなく、実際に紙に書いてみることを強くお勧めします。

自分の求めている結果や希望を文字に書いてみることで、頭の中を整理することができますし、自分が何を求めているのかをしっかりとキャッチできれば、それが相手にも伝わるからです。

そうすると、相手の要求に対して譲歩するべきか、譲歩できるとしてどこまでできるのかという線引きも明確になるのです。

そのように自分が求めているものを深掘りしていくと、自分のこだわりの大小に気づくことができ、感情や思考の整理をすることにもなります。

この準備なしで交渉に臨んでしまうと、相手の出方に対して柔軟に対応することができなくなり、交渉が自分の思い通りに進まなくなってしまいます。スムーズな交渉を行うためにも、交渉の直前までにリストアップして自分自身を整理しておきましょう。

黒の背景にクリップボード付きのホワイトペーパー
写真=iStock.com/voyata
実際に紙に書いてみる(※写真はイメージです)