なぜか「感じのいい人」はどこが違うのか。弁護士の保坂康介さんの著書『心理カウンセラー弁護士が教える 気弱さん・口下手さんの交渉術』(日本実業出版社)より一部をお届けする――。

相手から言葉を引き出す「パッシブリスニング」

交渉相手は時として、「とにかく自分の話を聴いてほしい。わかってほしい」と強く思ってはいるものの、なかなかうまく言葉にできない状況になることがあります。

そんなときに、あなたが「ああですか?」「それともこうですか?」と質問をしても、交渉相手は、聞かれることすら煩わしく感じたりします。

このとき相手は、「自分の感じていること、話したいことを好きなタイミングで話させてもらいたい」、あるいは「話さないでいることも許容してもらいたい」と思っています。

気弱さん・口下手さんなら、そのあたりの気持ちがよくわかるのではないでしょうか。

パッシブリスニングは、まさにそうしたときのための聴き方なのです。

交渉相手が内面を開示してくれるようになる

この聴き方は、①交渉相手から話を引き出すのに役立つとともに、②交渉相手から思いを引き出すのに役立ちます。

「①交渉相手から話を引き出す」ための聴き方として「沈黙」と「相づち」があります。また、「②交渉相手から思いを引き出す」ためには「ドアオープナー」という聴き方があります。

胸に手をあてハート型のオブジェを持つビジネスマン
写真=iStock.com/takasuu
交渉相手が内面を開示してくれる(※写真はイメージです)

パッシブリスニングをすることによって、交渉相手が内面に持っている出来事、悩み、感情などに気づけるようになり、それを聴き手に開示してくれるようになります。

「でも、そんな聴き方は悩み相談なんかのときだけで、交渉には必要ないんじゃない?」と思われるかもしれません。

そんなことはありません。

交渉の際にも相手が悩みやモヤモヤを抱えていることは当然にありますし、そもそもトラブルにならないための聴き方の1つとして身につけておくことはとても重要です。