どうすれば「人を惹きつける話し方」ができるのか。日本声診断協会代表理事の中島由美子さんは「『腹筋を鍛えてお腹から出す声』よりも、『軟口蓋をリラックスさせた声』のほうが人を惹きつける。ストレッチで背中をゆるめると、リラックスしたいい声に近づく」という――。

※本稿は、中島由美子『1日3分で変えられる! 成功する声を手に入れる本』(青春出版社)の一部を再編集したものです。

人を惹きつけるのは「声の魅力」

聞く人に深く伝わる話し方がしたい。人を惹きつける話し方がしたい。

そんなふうに思っている人は多いのではないでしょうか。

話し方のテクニックや話している内容より大切なのは、その人自身が持っている「声」の魅力です。

同じ話をしているのに、なぜか耳に入ってこずスルーしてしまう人と、つい聞き入ってしまう人っていませんでしたか。

一般的にいわれるような「いい声」ではないのに、なぜか心に響き、感動してしまう声。

あるいは、同じ歌を歌っているのに、この人が歌うと心地よく、何度も聞きたくなる、知らず知らずに涙が出てしまう。

一方で、いくら歌がうまくても、ある人が歌うと心に響いてこない、ということもよくあります。

また、「感謝します、ありがとうございます」とお礼を言われたときのことを想像してみてください。本当に心から感謝されているときと、こう言ってはなんですが「本当はそれほど感謝してないよね?」とわかってしまうとき、ありますよね。

キング牧師の声はなぜ心に響くのか

実は、私たちは言葉や伝え方のテクニックだけでは心が震えないということを知っているのです。

その答えは、「声」にありました。つまり、いくら取りつくろっても、その人が放つ声のエネルギー、周波数が受け取る側に伝わってしまうのです。

米国の黒人差別撤廃のために闘ったキング牧師の声を聞くと、なぜか鳥肌が立ちます。英語なので何を話しているかさっぱりわからなくても、心が反応してしまうのです。

話す内容より、声が大事だということです。

プレゼンをする女性
写真=iStock.com/gorodenkoff
話す内容より、声が大事(※写真はイメージです)