いい声のカギは「軟口蓋」

舌で口の中をたどると、歯の裏側に硬い部分があります。ここをハードパレット(硬口蓋)といいます。ソフトパレット(軟口蓋)は、そこからさらに喉の奥に行き、舌が届かないやわらかい部分にあります。

音色はソフトパレット(軟口蓋)でつくられます。

振動体である声帯が音を発声させ、ソフトパレットの形によって音が共鳴する箇所が変わり、声の質になっていきます。ソフトパレットが声の音色をつくるうえで鍵となるのです。

言葉の子音は口の前方で発声されますが、「あ、い、う、え、お」の母音ぼいんが形成されるのがソフトパレットの形によるものです。

よくヴォイストレーニングで「喉を開いて」と言われることがありますが、これは「ソフトパレットを開いて」という意味です。

長時間話したり歌ったりすると喉が痛くなるのは、ソフトパレットがつぶれているから。専門的に説明すると、ソフトパレットが下がることによって、結果的に声帯が痛むのです。

背骨をゆるめると声が変わる

ソフトパレットを開くには、体をゆるめてリラックスすることが大切です。体をゆるめると、声が響きやすくなるのです。

私たちの体は普通に生活しているだけでも緊張します。

心の癖を手放すことが大切ですが、同時に体からもアプローチしていきます。

そのポイントとなるのが「背骨」です。

中島由美子『1日3分で変えられる! 成功する声を手に入れる本』(青春出版社)
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緊張すると首や肩も硬くなりますが、背骨もギュッと硬くなります。

現代人は常にストレスにさらされ、緊張している時間が長いので、その結果、体も硬くなり、声の自由を失ったともいえるのです。

硬く緊張している状態を長く続けると、背骨に老廃物がたまり、より硬直し、背骨の可動域が狭くなっていってしまうのです。

現代人はただでさえパソコンやスマホで前かがみの姿勢が多く、背骨が動いていません。楽器は振動することで音が鳴り響くのに、1個1個の背骨が振動しないから、声が響かないのです。

背骨の可動域とソフトパレットはつながっています。背骨をゆるめて体を解放することが、ソフトパレットをゆるめることにもつながります。

患者の背中に手を当てる理学療法士
写真=iStock.com/Ngampol Thongsai
背骨をゆるめると声が変わる(※写真はイメージです)