ChatGPTにも弱点はたくさんある

先に挙げたChatGPTは「Chat Generative Pre-trained Transformer」の略で、事前に集めておいた情報で学習しておき対話の方法を通して自動的に回答を生成していく仕組み、といったほどの意味です。

開発したのはOpenAIというアメリカのAI開発企業で、OpenAIは、一般的にはツイッターの買収やそのXへの改名でよく知られる起業家イーロン・マスクらが2015年に非営利法人として設立したOpenAI Inc.が母体になっています。イーロン・マスクはすでに運営から離れていて、OpenAIは現在、マイクロソフト社が筆頭株主(持株49%)に立つ企業となっています。

2022年11月のサービス開始以来、テレビのワイドショーや情報番組などで、とにかく凄いものができた、AIは驚異的に進化している、などともてはやされ続けています。

「どんな質問にも答えてくれる、新しいアイデアが生まれる感覚がある」など、特にビジネスの現場での活用メリットに期待が集まっているようですが、企業のなかには明文化するかたちで、ChatGPTは、「正確とは限らないから、最終的な判断は人が行う必要がある」「最近のことは回答不可能」「扱っているのは公開情報のみ」「英語で質問する方が詳細・正確な答えが返ってくる」「未来のことはわからない」といった注意を喚起しているところもあります。

回答に満足しているような人は平均以下

この注意喚起はおおむね正しいといえるでしょう。ChatGPTは、従来のネット検索システムと変わりはありません。検索とコピー&ペーストを自動的にやってくれるというだけの話で、検索機能と文章構成機能でできているのがChatGPTであって、いわれているほど高レベルのシステムというわけではありません。

ChatGPTは、簡単にいうと世の中に転がっている話を集めてきて回答しているだけですから、その答えは当然、平均的なものになります。そういう意味ではChatGPTが返してきた回答に満足しているような人は平均以下のレベルにあるといえるでしょう。トップレベルの教養からすれば、まず話になりません。

私をはじめ、評論や解説を仕事のひとつとしている人にとっては、専門家として十分期待に応えられているか、つまりChatGPTの返答より上の情報を発信しているかどうかを確認するという作業においては、ChatGPTは使えるかもしれません。