食器を小便器で洗っていた幼稚園職員

幼稚園でも衛生環境の不祥事が発生した。中国江西省の幼稚園で今年6月、園児たちの給食トレイをトイレの小便器で洗っていたことが発覚。大きな批判を呼んだ。

サウスチャイナ・モーニングポスト紙が取り上げる動画には、トイレの地面に溝が掘られたタイプの小便器が映されている。女性職員がその前にしゃがみ込んでホースを使い、食品を直接盛り付けるとみられる区画付きのトレイを洗う姿が映っている。

この事件は、中国全土で学校や大学で頻発している食品安全問題を再び浮き彫りにした。動画を撮影した母親は極度の衝撃を受け、子供を別の幼稚園に転園させたと明らかにした。

動画を見たネットユーザーからは、5万件以上もの怒りのコメントが投稿されたという。サウスチャイナ・モーニングポスト紙は、怒りに燃える視聴者のコメントを取り上げている。「子どもたちは、家庭では両親にとても愛されているのに、幼稚園ではまるで家畜のように扱われるのです」

動画は中国版TikTokのドウイン(国際版ブランドのTikTokに対し、同じくByteDance社が運営する中国版動画プラットフォーム)などを通じ広く拡散されている。

中国版ティックトックに投稿された動画
中国版ティックトックに投稿された動画

期限切れ食材の提供に、当局がお墨付きを与えたケースも

事件は枚挙にいとまがない。安徽省蕪湖市の幼稚園では2018年9月、子供たちに期限切れのソーセージなどが提供された。国営英字日刊紙のチャイナ・デイリーが報じた。

同紙によると、これで同市における食品問題は、わずか1カ月で3回目を数えるという。以前の事件では、監視当局が幼稚園に対し、カビの生えた生米や腐った鶏の足の調理・提供を許可。こうして調理された食事が、実際に子供たちに振る舞われていた。

チャイナ・デイリーはこの問題について、「市内で1カ月に3回も子どもたちが食の安全に関する不祥事の犠牲になっている事実は、法律が抑止力として機能していないことを示している」と嘆く。

野良猫を捕獲し、豚肉と偽って売りさばく

最後に、今年10月24日に衝撃的なニュースが報じられている。安いファストフード店は猫の肉を使っているのではないか、との笑えないジョークがあるが、中国では実際に猫が食肉として売りさばかれているという。CNNによると、猫1000匹がソーセージにされる寸前で救出された。

中国の警察が、猫の肉を豚肉や羊肉として売りつける違法ビジネスを摘発。食肉処理場へ向かうトラックから約1000匹の猫を救出したという。