絶対的に「『正しい』書き順(筆順)」など存在しない

繰り返しますが、絶対的に「『正しい』書き順(筆順)」など存在しないのです。

では、わが子の書き順(筆順)を親がチェックする必要がないかというと、それは違います。例外はいくつもあるでしょうが、「『正しい』とされている書き順(筆順)」を守って字を書いたほうが形として綺麗きれいな仕上がりになることが多いとわたしは考えます。

矢野耕平『わが子に「ヤバい」と言わせない 親の語彙力』(KADOKAWA)
矢野耕平『わが子に「ヤバい」と言わせない 親の語彙力』(KADOKAWA)

一方、わが子の書く漢字の形が整っているのであれば、多少の「オリジナル」の書き順(筆順)は認めてやってもよい気がします。

付言しますと、日本の小学校は近年国際化が進んでいます。わが子の同級生に中国籍の子がいませんか。ひょっとしたら、本書を手に取ってくださっている保護者が中国のご出身であることも十分考えられます。

日本・中国・台湾などは漢字文化圏ですが、実は国によって書き順(筆順)が異なるケースもあるのです。たとえば、先ほどの問題に登場した「必」という漢字ですが、日本では「ソ」から書き始めるのに対して、中国では「心」から書き始めるのが一般的です。わたしが中学入試で書き順(筆順)が出題されないのは喜ばしいと申し上げたのは、こういう理由もあるのです。

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