子どもがスマホやタブレットを使用するとき、YouTubeを見るのとゲームをするのではどちらが良いのか。スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長の星友啓さんは「私のお勧めは断然ゲーム。ゲームは自分の手や目を動かし、考えて、画面の動きに反応しなくてはいけないからだ」という――。

※本稿は、星友啓『脳を活かすスマホ術 スタンフォード哲学博士が教える知的活用法』(朝日新書)の一部を再編集したものです。

スマートフォンを操作する日本人の少年
写真=iStock.com/Wako Megumi
※写真はイメージです

ゲームは自分の手や目を動かし、画面の動きに反応する必要がある

さてここで、子どものスマホ使用にフォーカスしてみましょう。

子どものスマホ使用で最も人気があるものの一つが、YouTubeです。アメリカのピュー研究所のインターネットユーザーの調査では、0〜2歳の子どもで57%、3〜4歳で81%、5〜11歳で90%の子どもたちがYouTubeを使っているということです。

これはスマホのゲーム使用と並ぶ人気です。

スマホやタブレットを完全に取り上げることは現実的じゃない。だから、より良い影響が出るものを子どもにやってほしい。例えば、YouTubeとゲーム。どちらが子どもの脳に良いのでしょう?

そんな疑問を、私もちょくちょく耳にします。

私のお勧めは断然ゲーム。子どもにスマホやタブレットを使わせるならば、なるべくYouTubeでなく、ゲームをやらせるようにするのをお勧めしています。

ゲームは自分の手や目を動かし、考えて、画面の動きに反応しなくてはいけないので、よりエンゲージメントが高まります。

いろいろなゲームをやらせたほうがいい

大人であれば、YouTube動画に集中して学びを深めることができるかもしれませんが、子どもは必要なスキルをこれからまだまだ学んでいく段階です。

もちろん、YouTubeも次から次に動画を選ぶことでエンゲージすることもできますが、やはり、ゲームのエンゲージ力にはかないません。

また、YouTube動画だと知識が入ってくるので、子どもの学びに良いという考えもできますが、ゲームでも知識が入ってくるのは本書で前述した通りです。

動画を見る場合はついつい受動的になりがちなので、よりエンゲージできるゲームも織り込みながら、子どものスマホライフのバランスを見つけるのが得策です。

さらに、一つのゲームをやり続けるだけではなくて、意識していろんなゲームをやらせてあげることで、反射神経や視覚の情報処理能力、クリエイティビティやコミュニケーション能力などを多面的にサポートできるのです。