外食不況が続くなか、ファストフードは好調だ。富士経済の調査によると、2012年の市場規模は前年比3.1%増の3兆57億円。その双璧は、何といってもハンバーガーと牛丼である。同じ調査で、前者が3.5%増の7215億円、後者が6%増の3660億円と、いずれも業界全体の伸びを上回った。

その理由を、調査に当たった同社東京マーケティング本部の上田周作氏は「厳しいシェア争いのなかで低価格が定着するかたわら、モーニングメニューの充実といった企業努力がユーザーを取り込んでいるからだ」と説明する。実際、ハンバーガーショップも牛丼店も朝から利用客が立ち寄っており、ハンバーガーセットにしても朝定食でも500円でおつりがくる。

興味深いのは1日の時間帯別利用構成が、ハンバーガーと牛丼では明らかに違うことだ。ハンバーガーはランチに60%が集中、牛丼はディナーが45%と高い。上田氏は「ハンバーガーはメニューの二極化が進んだ。高めの価格帯も充実していて、ランチタイムでの選択肢が多い。一方、夕食にはご飯物という日本人の食習慣が影響して牛丼はディナー中心。仲間との一杯後の深夜需要も見逃せない」と話す。

さて朝の利用割合は、ハンバーガーは12%を超えているが、牛丼は4.9%に留まった。主に出勤や通学途中の人たちをターゲットにするものの、朝食は家で食べるものという固定観念が壁として立ちはだかる。とはいえ、両陣営とも朝需要の掘り起しには力を入れており、うまくいけばファストフード全体も活況を呈しそうだ。