デザインを向上しつつ、スペースは死守

エクステリアにおいて今回はかつての威風堂々さに、美しさやセクシーさまでプラス。特にサイドの抑揚は今まで以上のものがあり、逆にデザインにスペースがとられ、従来通りの広さを確保するのが難しかったとか。

より美しくなったアルファード。フロントフェンダーやサイドスカート部の形状をはじめ、ボンネット先端からリアまで大胆な面変化を施している
画像=トヨタ自動車提供
より美しくなったアルファード。フロントフェンダーやサイドスカート部の形状をはじめ、ボンネット先端からリアまで大胆な面変化を施している
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より美しくなったアルファード。フロントフェンダーやサイドスカート部の形状をはじめ、ボンネット先端からリアまで大胆な面変化を施している

しかし新型アルファード、ヴェルファイアの開発責任者である吉岡憲一チーフエンジニアは開発スタッフに「体脂肪ゼロパッケージだぞ」と言い聞かせ、室内のスペースを死守したと言います。このあたりの扱いやすさと広さ、スタイルのバランスポイントの高さにも注目なのです。

ロールス・ロイスに負けない乗り心地を

さらに面白いのが新型のフロアの高さです。かつてミニバン界では低床フロアがはやったことがありました。というのも床を低くすることは車両全体の性能向上に直結し、特にハイスピードコーナリングが安定し、ミニバン特有の腰高感を減らせるのです。

しかし新型アルヴェルはあえて「見晴らし感」を優先し、いたずらに低くはしませんでした。それどころか逆に走りの剛性感を上げるべく、サイドフレームを強化し、フロア高は微妙に上がっているともいいます。

吉岡エンジニアいわく「狙ったのは高級欧州セダンに負けない乗り心地」。具体的にはメルセデス・ベンツSクラスやロールス・ロイスなども参考にしたとか。

これまた特有の見晴らし感を死守しつつの走りと質感の向上。まさに「外せない要件」へのこだわりは他にないものがあります。

二律背反する性能の両立こそが新型アルヴェルの最大のキモ。サイズはあまり変わってないかもしれませんが、実に贅沢な作りのクルマなのです。