長年住んだマイホーム。老後資金を増やすために、売却を検討する人も多いだろう。「立地が悪い」「築年数が古い」などを理由に、高く売れないと思い込んではいないか? やり方次第で高額で売却できる。プロのテクニックを紹介する。「プレジデント」(2023年8月4日号)の特集「金持ち老後の株・投資戦略」より、記事の一部をお届けします――。
相見積もりを取るのが高額売却のカギ
不動産を高く売るコツは、物件の条件によって変わりますが、マンションの場合に共通するのは、管理のよさです。管理組合や管理会社がしっかりしている物件はほぼ確実に高く売れます。たとえば、三菱地所、三井不動産、住友不動産など、大手デベロッパー系列の管理会社に管理を委託していれば、維持・管理がしっかりしていますので、購入者も安心します。大手は管理料が多少高くなりますが、売却する際には、それを上回る価格メリットがあります。管理組合の同意があれば、管理会社を変えることもできます。
売却する時期も重要です。3月、6月、9月、12月が不動産業界の繁忙期です。この時期は住み替えをする人が増えますので、価格が高くても売れやすくなりますし、売却までの期間も短くできます。
実際に売却する場合には、不動産仲介者に依頼することになりますが、売却価格は担当者によっても大きく左右されます。同じ物件であっても、担当者によって査定額が5000万円になる場合もあれば、4000万円になる場合もあります。難しいのは、高く評価してくれる担当者が優秀だとは言えないことです。むしろ仕事のできない担当者ほど高くする傾向があります。高値をつけたところで、売れ残っては意味がありませんから。
よって、売却を検討する際には、複数の会社に相談して、見積もりを出してもらうことが必須です。その際に「なぜその価格に設定したのか」根拠を聞いてください。しっかり説明できたり、周辺物件の売却事例を提示してくれる担当者であれば信頼できます。