【CASE.5 売れ残り一戸建て】マンションは「内装」、一戸建ては「外観」が命。弱点を改善すれば、ボロ家が売れる!

長年住んで見落とす劣化や汚れに注意

不動産の売買において、高値をつけるポイントの1つは管理状態の良し悪し。マンションの場合は、管理会社によって掃除や大規模修繕などが定期的に行われますが、戸建ての場合はこれらをすべて自分たちで行う必要があり、売却の際にもコツが必要です。

中古の一戸建てを購入しようと考える人が最も気にするのは外観です。屋根がボロボロだったり、壁が汚れていたりすると大きなマイナスになり、高く売れないどころか、買い手がつかないこともあります。マンションでは内装が重要視されますが、一戸建ての場合、購入してから買い手側で内装をリノベーションするケースがほとんどですから、その点を気にする購入者は多くないのです。

では、マイホームの売却を考えたときに、外観のどこをリフォームしたらよいのか──。ポイントは2つで、「外壁」と「屋根」です。雨風にも晒される外壁は汚れたり劣化しやすく、築年数が経つほどボロボロになっています。ですから、売却前に真っ白く塗り直すなどして、きれいにすることをおすすめします。費用は坪数にもよりますが、広ければ100万円を超してしまうこともあります。しかし、これだけで長年住んだ家が見違えるほど新しく見え、売値も200万~300万円ほど上げることができるでしょう。

同様に屋根も、古い家の場合は日本瓦を使用していることもありますが、安全性や浸水の観点から敬遠されることもあるので、予算に余裕があればタイルなどに一新することをおすすめします。その場合の費用も約100平方メートルで100万円超と高額ではありますが、その分売値が100万円ほど上乗せされることが期待できます。

加えて、売却する前にぜひ実行していただきたいのが玄関のドア交換です。マンションの場合は、勝手に玄関ドアを交換することはできませんが、一戸建てなら問題ありません。築年数が古い一戸建ての場合、玄関のドアが劣化しているケースが多くあります。また、第一印象が売却額を左右する一戸建てにおいては、引き戸のような古い印象のある玄関ドアは買い手にあまり好まれません。

年々、玄関ドアの素材やデザインがブラッシュアップされた商品が登場していますから、防火や防風など機能性の高いもので、かつ見た目も洗練されたものに取り換えましょう。30万円程度の費用がかかりますが、それによって100万円高く売れることは珍しくありません。

「将来的にマイホームを売りたい」と考えているのであれば、定期的なメンテナンスは欠かさずに実行しておくべきです。いざ「売りたい」と思ってから家の不具合をすべて直すとなると、予算が足りずに、結果的に売却額を下げることになりかねません。また、意外と見落としがちなのが、ちょっとした外壁のすすけや苔など、外観の汚れです。長年住んでいると気にならないかもしれませんが、初見の人からすると、魅力がないように映ります。ささいな気づきになりますが、掃除するだけでも売却額は大きく変わります。

長年住んだ家を見違えるほど新しく見せる

※売却価格は目安です。実際の物件状態や地域によって変動します。

(構成=向山 勇 イラスト=前田はんきち)
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