【CASE.4 駅遠物件】アクセスが悪くても、専有面積が大きいなら、ファミリー層のニーズに応えられる!

大胆な間取りチェンジで需要増を狙う

「駅近物件」は価格も高く、買い手もつきやすいですが、駅から徒歩15分以上でも、部屋の間取りを変えるリノベーションを行えば、十分に高値で販売することは可能です。

購入者がファミリーの場合、気にするのはアクセスのよさよりも部屋の数です。都市部と比べて、特に郊外には子どもの数が多いファミリーがたくさんいるので、一つ一つの部屋が狭くても個室の多い物件が好まれます。

たとえば、専有面積が85平方メートルで間取りが3LDKの物件があれば、思い切ってリビングを小さくするなどして、4LDKにするのが効果的です。子どもが2人いるというご家庭の場合、3LDKでも子どもの個室を確保することはできますが、もう少し余裕がほしいと4LDKを検討されるケースが非常に多いです。4LDKであれば、2人の子どもにそれぞれ個室を与えても、さらに書斎などを確保できます。4LDKの物件は3LDKに比べると少なく、需要が多いため、約1000万円高く売れたということもあります。

ただし、都心部の2LDKの場合は、3LDKにするよりも、広めのリビングがついた1LDKにすることも検討しましょう。先述の通り、特に都心部では3LDKの物件が飽和状態で、買い手がつかない可能性があるので、子どもを持たないディンクスか、単身者に向けた物件にリフォームをするほうが売れる確率も高く、価格も相場より高くなるでしょう。

間取りを変更するリフォームにかかる費用は、「部屋を増やすか」「減らすか」で金額が変わってきます。仕切りやドアを追加して部屋を増やす場合は50万円から、逆に壁などを撤去する場合は20万円から行うことができます。部屋の形を大きく変える必要がある場合はさらに費用がかかるので、現状の構造を活かしたリフォームを行うのが鉄則です。売れるデザインにはテクニックが必要ですから、信頼できる業者を選んで相談しましょう。

もう1つ、駅から遠い物件を売るときのポイントは、周辺施設をいかに買い手にアピールするかに尽きます。たとえば、同じ駅から遠い物件でも、徒歩5分の距離に大型商業施設があるかどうかで、物件の販売価格は300万円ほど変わります。スーパーやコンビニ、ドラッグストアが近くにある場合も、300万円ほど高くはありませんが、それなりに高く売ることができます。また、近隣に再開発地区やベッドタウンがある場合も、その暮らしやすさゆえに高額でも売れることがあります。

最近、駅から遠い物件で「この家、高く売るのは難しいですよね?」とよく相談されるのが、隣に墓地がある家です。たしかに以前は縁起が悪いと避けられがちでしたが、近年では「静かで過ごしやすい」とかえって人気を集め、駅近物件と同等の金額で売れています。ですので、近くに墓地があるからといって、弱気になる必要はありません。ようは、駅から遠い物件でも、買い手への「住みやすさ」のアピール次第で、購入してもらえるかどうかが決まります。

子どもが多い家庭に合わせてリフォームで個室増設