1日30分の読書週間は2時間の学習に匹敵

この4万人の子どもを調査・分析した結果から、さらに次のようなこともわかりました。

・「勉強2時間以上で読書をまったくしない」群の平均偏差値は50.4
・「勉強2時間以上で読書を1日10~30分する」群の平均偏差値は53.6
・「勉強30分~2時間で読書を1日10~30分する」群の平均偏差値は51.3

つまり、同じ勉強時間でも、読書を1日10~30分するだけで偏差値は「3」上がる。さらに、1日2時間以上勉強しても、まったく読書をしていないと、それ以下の勉強時間の子どもより成績が悪くなる……という驚きの結果が出ています。

ここから、子どもには毎日30分程度の読書習慣をつけることが望ましい。すると、2時間の学習に匹敵する成績アップ効果が期待できるといえるのです。

「読む習慣」をつけさせることが大事

家庭で読書習慣をつけるためには、子どもが少しでも興味を持つ本をたくさん与えるとよいでしょう。

このとき、親としてはつい、「勉強に役立つものがいいだろう」と、図鑑や百科事典などを与えてしまいがちです。それらに興味を持たない子どもの場合は、当然ながら手に取ることもなく、ほこりをかぶったまま……。そんなご家庭も多いのではないでしょうか。

幼少期の子どもたちの脳発達にとって重要なのは、「何を読むか」よりも「読む習慣をつけること」です。

子どもがヒーローもののテレビシリーズに夢中なら、その関連本からはじめたり、大好きなアニメの原作本を買って渡したりするのもよいでしょう。

好きなジャンルであれば、たとえわからない文字があっても、子どもは一生懸命に読もうとします。それを続けていくうちに脳が慣れてきて、小学校中学年ぐらいになると「まとまり読み」ができるようになるはずです。