読書時間が長くなるほど偏差値も高くなる傾向

また、読書習慣は、子どもの成績を向上させることもわかっています。

次のグラフは、2017年(平成29年)の小学5年生から中学3年生までの子ども約4万人の「平日の1日当たりの読書時間」と「4教科(国語、算数/数学、理科、社会)の平均偏差値」をまとめたものです。

読書時間が長くなるほど偏差値が高くなる
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読書を「まったくしない」が最も低く、そこから、読書時間が長くなるほど偏差値が高くなっている傾向が明らかです。

両手でオープンブックを持っている女性。学習、教育、知識、宗教の概念として本から出てくる光
写真=iStock.com/NiseriN
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「まとまり読み」ができるようになることが大切

読書習慣のある子どもたちは、小学校中学年から「まとまり読み」ができるようになります。

文字を一文字ずつ追うのではなく、文字を意味のあるまとまりとしてとらえ、効率的かつ、スピーディに読み進めるようになるのです。

この段階に入った子どもは、文章を読むことがまったくストレスになりません。そのため、自分で本をどんどん読み、さらに知識を積み上げていくという、“理想的なループ”に入ります。

どのクラスにも数人はいる「親に『勉強しろ』と言われなくても勝手に勉強する子ども」とは、こうしたプロセスで成長していきます。