さらに、期待や気合いというポジティブな思いも、不安や焦りというネガティブな思いも、心電図や心拍数、自律神経などのデータでは同じようにストレスがかかっていることがわかりました。つまり、ポジティブでもネガティブでも、思いが強いとパフォーマンスは低下してしまうのです。

そこでおすすめしたいのは、「脳の暴走を10秒で止める『すき間』づくり」です。

「やばい! あれこれ気になって、やるべきことに集中できてない!」

そう思ったら、いったん作業や思考をストップ。作業と思考の間にすき間をつくりましょう。たとえば、席を立って10秒歩き、また元の作業に戻ってみる。これだけで、欲求の暴走はスーッと消えていきます。

脳の特性をいかせば「要領のいい人」になれる

「そんな簡単なことで?」と思うかもしれませんが、実は、このときの脳内では「デフォルトモードネットワーク」というものが働いています。

これは、安静にしているときに脳の複数の領域が働いてつくられるネットワークのことで、それまでに得た情報を脳の中でまとめ、スッキリと整理する役割を担っています。

菅原洋平『「仕事が終わらない人生」が180度変わる 努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ』(アスコム)
菅原洋平『「仕事が終わらない人生」が180度変わる 努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ』(アスコム)

まるで自動車のアイドリングのように、次に動き出すための準備をしている状態です。

逆に、「デフォルトモードネットワーク」の機能が弱まっていると、脳内で情報がぐちゃぐちゃに散らかったような状態になってしまいます。冒頭でお話ししたデスクの話をイメージしてもらえれば、わかりやすいかもしれません。

このように、脳に気持ちよく働いてもらえる仕組みを理解すれば、努力に頼らず仕事が進むようになります。

脳の仕組みをいかすコツは、この他にもたくさんあります。ぜひ、自分なりの脳の特性の活かしかたを見つけて、仕事の効率をアップさせてください。

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