夫の立川憲司さん(仮名)は大手電機メーカー管理職の50歳、妻の臼井玲さん(仮名)が大手邦銀管理職の40歳。10歳の年の差夫婦だが、並んでベンチに座るお2人の間には、不思議なくらい清々しい空気が漂う。

「結婚して2年目。ネットの見合いサイトで知り合いました」(臼井さん)

との説明につい納得。互いに離婚歴を持つが、子供がいなかった点も同じで、養育費等々は引きずっていない。

「年齢からいって、今後の子づくりは考えていません」(立川さん)

エクセルできっちりと整理した家計簿を、プリントアウトしてお持ちいただいた。立川さんが手取り年収910万円、臼井さんが960万円と何ら心配の要らなそうな金額が並ぶ。

結婚と同時に、東京都内の2人用のマンションを1億円でほぼ一括購入。預貯金で7割を賄い、後は立川さん所有のマンションの売却額を充てた。月々の支払いは管理費だけだ。預貯金を減らしたとはいえ、積み立て型の生命保険も含めると、計2000万円程度蓄えがあるという。

「年10回程度。一緒に海外旅行に行きます。長いお休みを取って行くのがうち3回くらい。最近では3月にアメリカに3日間。ワシントンでFRB(米連邦準備理事会)の中の金塊の山を見たり、シアトルに行ってボーイングの工場を見学したり」(臼井さん)

「昨年行ったときより治安が悪化しているかと心配しましたが、町を歩いてる分には変わりないです。ホテル代が安くなり、航空機のサーチャージがほぼゼロまで下がって、むしろ行きやすくなった」(立川さん)

シンガポール、タイ・バンコクなどアジアにも足を延ばす。現地で購入した食材を持ち帰り、臼井さんが手料理を作る。和食・洋食・エスニック等々、何でもござれだ。「私もつくりたいんだけど、台所を汚すから、と止められています(笑)」(立川さん)。