長引く不景気との関連性

最後に自動車への憧れです。元々日本はもちろん世界的にスライドドア付き車両は「業務用」のイメージです。トヨタ・ハイエースや日産・キャラバンを見れば分かる通り、職人がモノを運んだり、送迎用に使うクルマでした。日本でも90年代半ばまではそうでした。

しかし日本では1994年あたりにホンダ・オデッセイをはじめとする乗用ミニバンブームが起こり、イッキにそのイメージが払拭され始めたのです。さらに言うとクルマ離れと、不況が続き、クルマへの憧れが無くなっていることも大きいのかもしれません。

「多少不便でも高くて速くてカッコいいクルマに乗りたい」ではなく、「カッコ悪くても便利で効率のいいクルマに乗りたい」。それがスライドドア重視の根本的理由となっているのかもしれません。

そう考えると、軽のスライドドアブームは既に30年は続いていると言われる、日本の経済的低成長に根本原因があるのかもしれません。多少こじつけすぎかもしれませんが。

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