2倍だと物足りず、4倍だとおいしくない

「大和フーズが製造していた餃子には『ニラ餃子』や『ニンニク餃子』、『野菜餃子』など数種類の餃子がありました。それらの餃子を一通り食べてみましたが、いずれも『東スポ餃子』と銘打つにはいま一つインパクトが不足している印象でした。

そこで、素材の中でも人気が高いといわれているニンニクをフィーチャーする方向で商品作りを進めることにしました。ニンニクを多めに入れることにしたのです。しかも、中国産の廉価な普通のニンニク餃子と同じでは意味がありませんから、ニンニクのインパクトには気を使いました。その他、皮へのこだわりも重要で、その点については大和フーズ自身が持っているノウハウと秘伝の調理法を存分に発揮していただきました。

ニンニクを2倍、3倍、4倍、5倍とさまざまな量を加えて餃子を試食してみました。すると面白いことが分かったのです。4倍、5倍だとニンニクばかりになって全然おいしくない。とはいえ2倍では物足りなさがあり、実は3倍くらいでほどよくニンニクがきき、さらに“尖っている感”が出ていたのです」

ニンニク
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「東スポ餃子」はこのようにして誕生し、合わせて商品名も必然的に「ニンニクマシマシ 東スポ餃子」に決定されていった。

「東スポ餃子」はどこで食べられるのか

そもそも東スポ餃子はどこで販売されているのだろうか? 平鍋氏に聞いてみた。

「2022年夏の段階では居酒屋やラーメン店など400店舗前後で取り扱いをしています。九州では、地元で有名なラーメンチェーンの辛麺屋桝元と取り引きがあり、『東スポ餃子』を提供してもらっています。お店にはもともと餃子はありましたが、試食したところ、『東スポ餃子』のニンニクと辛麺の辛さが非常に合い、桝元の社長は、

『この餃子はうちのイメージとぴったりだ』

ということで、そこから取り引きするようになりました」

今後はますます販路を拡大していくということだが、その戦略をさらに具体的に訊ねると、平鍋氏は意外な展開を話し出した。