富士通が、日本企業では珍しい「職種別採用」を始めた。人材の争奪戦が激化するなかで、優秀な学生を獲得するための3つの採用手法を紹介する。

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富士通は、新卒者(学卒、大学院修了)の採用方式を多様化させている。

営業やシステムエンジニアなど学生が希望する職種への配属を入社前に約束する「職種別採用」を、2013年度の新卒採用から導入。同じく理工系学生を対象とする「学校推薦採用」では、配属部門を入社前に約束するコースをすでに11年度採用組から設けた。そもそも、他メーカーが取りやめつつある「学校推薦」をやり続けること自体特徴的であり、さらにはスポーツや資格取得など一芸に秀でた学生の「チャレンジ・アンド・イノベーション採用」も11年度入社から開始している。

リーマンショック以降、就職戦線は「買い手市場」の状況が続く。しかし、優秀な学生をめぐる争奪戦は、同業の企業間、業界間で激化している。それだけに、多様な採用方式を揃え「キャリア志向が強い学生をはじめ、人間的にパワーのある優秀な学生の採用につなげたい。将来は、世界の大物とも伍して渡り合えるグローバルな視点を持つ人材になってもらえれば」と富士通人事部人材採用センターの豊田健センター長。

富士通に来年入社を予定する13年度採用数は、事務系170人、技術系370人(高専卒含む)の計540人だ。リーマンショックの影響を受けた10年度は440人(技術系が270人)だったが、11年度からは3年連続で540人と安定して採用している。

富士通の採用方法は大きく(1)自由応募採用(12年で252人・文系と理系が対象)、(2)学校推薦採用(同266人)、(3)一芸採用のチャレンジ・アンド・イノベーション採用(同22人。初年度の11年は12人)の3つに分かれる。

「職種別採用」は(1)自由応募のうち、概ね3分の1を占め、Wishコースと呼ぶ。残りの3分の2が従来からのOpenコースだ。

Wishコースの対象職種は営業、システムエンジニア(SE)、開発、そして事業スタッフの4つ。このうち事業スタッフにはサプライチェーンマネジメント、購買、法務、知的財産、財務・経理がある。

Openコースにはこれらのすべてがあり、ほかに研究と事業スタッフの総務・人事がある(研究と総務・人事は職種希望ができない)。