双子の娘に恵まれて大喜びしたが…

故人のお名前は、立花ルイちゃん。2歳。遺影写真のルイちゃんと瓜二つの妹さまはマユちゃんです。

マユちゃんはまだ2歳ということもあり、私たちの打ち合わせ中に退屈してきて、ママにだだをこねはじめました。ご機嫌をとろうと名前を聞いてみますが、恥ずかしがり屋さんでこちらを見てくれません。今度は年齢を尋ねてみると、小さな手を前にパッと出して、指で「2」を作って見せてくれました。はにかむ姿がとてもかわいらしく、亡くなられたルイちゃんもこんな感じだったのだろうと思うと、胸を突かれる思いでした。

ランダムに置かれたキャンドル
写真=iStock.com/Vesnaandjic
※写真はイメージです

「これを流してもらうのは可能ですか?」と、お父さまが一本のビデオテープを取り出して言いました。

「私たちは遅くに子どもに恵まれまして……。だけど、一度に二人の親になれて、それはもううれしかったんです。妻の両親もうちの両親も大喜びだったのもつかの間で、この子たちが1歳のときに、ルイに病気が見つかりました。お医者さんから、長くても一年くらいだと言われたんです」と、記憶をたどるように話し出されました。

集まった人々に笑顔で感謝を伝えたい

お父さまの話を引き継ぐように、今度はお母さまが語りはじめられます。

「それからは、できるだけたくさんの思い出を作ろうと、いろんな所に出かけました。写真もたくさん撮りました。でも、写真だけでは声を思い出せなくなるんじゃないかしらって思いまして。そしたらこの人が、すぐにビデオカメラを買ってきてくれて、そこから撮りはじめたんです」

お母さまは、どこか遠くを見つめるようにしながら、記憶をよみがえらせているご様子です。お父さまがそれに相づちを打ちながら、「そこは僕が話したかったのに」と話を引き継ぎました。お母さまは、「あなたが言わないから私が言ったのよ」と笑いながら、お父さまの背中を体が揺れるほど強くたたいたのです。そのご様子がおかしくもありほほえましくもあり、こちらも思わず笑ってしまいました。

この一年間、ご両親はたくさん泣いたと話してくださいました。だけど、送るときは心の準備を整えて、集まってくださる皆さまに笑顔で感謝を伝えられるようにしたいとのこと。大切な娘を自分たちの手で送りたい、妹のマユちゃんに姉が存在した証しを残したいとのご希望でした。

まずは、開式時刻が迫っている通夜の打ち合わせをすませ、斎場へ移動しました。多くの参列者を迎えての通夜法要は無事に終わり、その夜はご遺族がルイちゃんの最後のお守りをされることになりました。