1年間で約300万円の奨学金を完済

人格の面では、人に対して思いやりを持てるようになってきました。「そんな当たり前のこと?」と思うかもしれませんが、恥ずかしながらお金に余裕がなかった頃は人をまったく思いやることができませんでした。ですがお金に余裕が生まれ始めてからは、家族、友達に対して余裕をもった視点で対応できるようになりました。

さらに、自堕落な生活だった自分に、運動の習慣、料理する習慣、ちゃんと仕事に行って働く習慣、勉強する習慣、こういった「いい習慣」がつき始めたのです。もちろん、節約する習慣も。

おかげで、心と体の健康を維持することができ、1年間で250万円から300万円のお金を蓄財することに成功しました。大学進学の奨学金も社会人1年目ですべて返すことに成功しました(借金384万円のうち72万円は結局使いませんでした。また、大学を卒業してニートやフリーターをしていた期間に24万円ほど返済していました。残った借金は288万円。これをこの社会人1年目ですべて返しました)。

パソコンと資料を見て計算する人
写真=iStock.com/fizkes
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ついでに、過去、返済を滞納していたお金も一括で払いました。そこから、「自分以外にもこういったお金の悩みを抱えている人はいるんじゃないか」と問題意識のようなものを持つようになりました。周りの何人かの人に聞くと、「お金に困っていたり、貯金できない人が実は身近にものすごくいる」ということが分かったのです。

周囲が「お金が貯められないような習慣」をしていることに気づく

私自身が借金生活を送り、まったくダメな人格と行動と生活習慣をもっていたのにもかかわらず、お金を貯められるようになり、人格や習慣も整ってきたところで冷静に周りを見てみると、案外、自分の親だったり、友人・知人などいろんな人が、お金が貯められないような習慣をしていることに気づきました。考え方だったり、発言だったり、持っているものだったり、すべてがお金を貯めることとは真逆のことをしている人が多いと気づいたのです。

そこで、貯蓄や節約の重要性を伝えたい、それが誰かのためになって、さらには日本をよくすることにもつながるんじゃないかと思い、YouTubeで発信を始めました。そして、その予想はあたり、観てくださる方が順調に増え、今に至ります。

野村総合研究所の推計によると、日本の世帯の80%は資産3000万円を持っていないそうです。しかし、私はそうした統計を知る前に、自分と自分の周りを見て、そうなってしまう世の中の法則に気づいてしまいました。そう、お金のない人は、ずっとお金のない状態をループするということに。