日本生命は、2012年4月から「新統合戦略」を本格スタートさせる(※雑誌掲載当時)。1500億円を投じてシステムインフラを刷新、保険の入り口から出口まで、すべての仕組みを抜本的に見直していくという戦略である。

――いよいよ新統合戦略が始まります。どのような背景で生まれてきた戦略なのか詳しく教えてください。

筒井 これにいたるには2つの大きな流れがありました。一つは、保険市場における弊社のポジションです。日本には量・質ともに充実した市場があります。そこに外資系や損保系が続々と参入して競争が厳しさを増しています。その中で、ストックという点で見れば弊社は市場で大きなプレゼンスを示しています。ただ、新規にご契約をいただくフローの面でいうと、必ずしも圧倒的な存在感を示せているわけではありません。社長就任時に「真に最大・最優、信頼度抜群の生命保険会社になる」というビジョンを打ち出しましたが、この新規のご契約においても真に最大・最優のポジションを実現する必要があるということです。

もう一つは、生命保険の仕事のベースになるシステムのレガシー化です。お客様のニーズを考えて商品や事務システムをつくりあげていくなかで、いつのまにか柔軟性、機動性の高い商品やチャネル、サービスといったものを開発しにくい構造になってしまっていました。5年前の支払い問題時に業務改善計画を立てましたが、そのなかで、やはりシステムのレガシー化を問題視し、多額の投資をしてでもシステムを抜本的に改革すべきだという決断をしました。

これら2つの流れを受けて生まれてきたのが新統合戦略です。