5年来の男友達から突然のプロポーズ

30歳前後で結婚し、子どもを産み、子どもがふたりになると妻は退職して一時的に専業主婦やパートタイムに。夫は子どもをかわいがってはくれるけど帰宅も遅く、いつしかワンオペになり、不満をためながらアラフォーに突入。もう一度、正社員になりたくてもなかなかその道はなく、夫との会話は子どもの学校行事に関することだけ。

アジアの男女がリビングルームでリラックス
写真=iStock.com/kazuma seki
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はたと気づくと子どもたちは自分の世界をもっていて、もはや親と一緒に行動はしてくれない。夫との心の距離は離れている。

一番身近な存在だった配偶者が、一番遠い他人に感じる。そんなふうに話す50歳前後は多い。ここから熟年離婚となるか、家庭内別居となるか。

そんな「ごく一般的な」家庭を見てきた20代、30代にとって、昔と違って結婚は「夢」でも「憧れ」でもなくなっている。結婚そのものが「めんどう」と言う人たちも増えている。夫、妻という従来の役割をこなす気もないようだ。ゆえに未婚が多くなる。

「私もずっと独身でいいと思っていたんです。男女問わず友だちもいるし、仕事から帰ってきてひとりで好きなように時間を過ごすとき、つくづく『誰にも邪魔されないって幸せ~』と思っていましたから。時に恋愛もしましたが、それが結婚に結びつくことはなかった。それでよかったんです」

サワコさん(39歳・仮名=以下同)はにこやかにそう言った。だが彼女は4年前に電撃結婚した。相手は同い年、男友だちのひとりだった。ある日、仕事のセミナーで出会ってから仲良くしていた5人グループで食事をした。5年来の仲間だから、話も盛り上がって二次会に流れた。さらに三次会へと行く人たちを見ながら、ケイタさんが「行く?」と尋ねてきた。

「次の日は土曜日だったんですが、私、仕事があって出社しなければならなかったんです。『今日はこれで帰るわ』と言ったら、『明日、ご飯でも食べない?』とケイタに言われた。ふたりで食事に行くのもそれほど珍しくはなかったので、いいね、そうしようと約束して別れました」

そして翌日、食事をしているとケイタさんが突然、「サワコ、結婚してくれない?」と言ったのだ。サワコさんは思わず食べていたパスタを喉につまらせたという。