「いつでも安心していられるから、性行為なんて必要ない」

「彼はそういう雰囲気を出してこないし、私もどちらかといえばないほうがいいというタイプ。きちんと話し合ったことはないんですが、一度、彼が寝室で腕枕をしてくれながら、『このままでいいの?』と言ったことがあります。たぶん、セックスの関係がなくていいのかという意味だと思う。私は『くっついているのがいちばん好き』と彼の体に潜り込むようにして寝ました。彼がしたいと思っているかどうかもわかりません」

ハルカさんには、子どもがほしいという欲求がない。子どもを産むのは怖かったし、妊娠するのも嫌だった。おおっぴらには言えないから誰にも言わずに来たのだが、「先生」にはそんな話もしたことがある。

「私は先生を、父であり兄であり親友であり、世界でいちばん近い人だと思っています。先生もそう思ってくれていると思う。そういう人と性的な関係はもてない。ただの男女ではなく、特別な家族という感じなんです。ずっと血のつながりがあったような気さえします」

確かにそんな感覚があったら、性行為はできないだろう。そして、そういう関係にならないからこそ、お互いを大事に思い続けることができているのかもしれない。少なくともハルカさんの場合は。

「カンガルーの赤ちゃんって、おかあさんの袋の中にいるでしょ? 私、ときどき自分がカンガルーの赤ちゃんみたいだなと思うことがあるんです。彼のそばにいると何も怖くない。いつでも安心していられる。だからセックスなんて必要ないんです。彼がしたいと言うなら、そのときは考えますが……」

出かけるときは必ずキスとハグ

朝出かけるとき、ふたりは必ずチュッと軽くキスを交わしてハグをする。それをしないと、ハルカさんは玄関を出ていくことができなくなっている。

「性的な意味合いはまったくありません。最愛の人と交わす挨拶ですね。先生には好きな絵を描いたり教えたりしながら、長生きしてほしい。それが私のいちばんの願いです。精神的にものすごく頼っているなとは思いますね。先生と一緒になってから、精神状態が落ち着いて、私、ものすごく仕事もがんばっているんですよ」

夫婦は毎日、その日のことをすべてと言っていいくらい話すのだそうだ。どんなに話しても話し足りない。ハルカさんは、結婚前の32年間で発した言葉数より、この4年間で話した言葉数のほうが多いのではないかと笑った。

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