性行為はないが一緒にお風呂に入る

共働きの生活が始まったが、基本的に自分のことは自分でやる習性がついているので、家事分担などでもめることはなかった。レイコさんは出産後、8カ月ほどで仕事に復帰、それ以来、あうんの呼吸で夫と協力しながら家庭も仕事もうまく回している。

「いまだにダイスケのことを“夫”と公には言いづらい。それくらい“夫婦”という感覚がないんですよね。彼は彼、私は私。ふたりともそんな感じで、そこに誰よりも大事な娘がいる。家族だとはわかっているんですが、私にとっては、彼と私と娘。それぞれひとりの人間が縁あって一緒に暮らしている。娘のことはダイスケと一緒に命がけで守りたい。それだけですね」

ダイスケさんとは、同期として知り合って12年、結婚してから5年たつのだが、セックスをしたのは「あの日」だけ。

「でも私たち、娘と3人で一緒にお風呂に入るんですよ、毎日のように。お風呂場でみんなで遊んだりしてる。ダイスケとはよくしゃべるし、同期として飲みに行っていたころと距離感も親密さもまったく変わりなく、安定しています。出産から2年ほどたったころ、『セックスしたい?』と聞いたことがあるんです。彼は『どっちでもいい。レイコは?』というから、『私もどっちでもいい。ダイスケのことは世界一好きだし大事な人だから、別にセックスなんてしなくてもいいとは思ってる』と言ったら、彼も『オレも、なんだかレイコとセックスするのは違和感があるんだよね』って。ああ、同じように思っていたんだとホッとしました」

人として相手を尊重したい

ふたりとも、自分の「性」を強く意識しないタイプなのかもしれない。人として相手を尊重したい、家族として仲良くやっていきたい。その思いが強いようだ。

「不安なときはダイスケにぎゅっと抱きしめてもらうんです。そうすると安心する。彼も何かあると両手を広げて抱きついてきます。娘はそれを見てうれしそうに笑ってる。それからふたりで娘を抱きしめる。それがうちのスキンシップですね」

なんだかレイコさん、とても幸せそうである。