著者の熱田氏は、日本のソムリエの草分けであり、私も親しくさせていただいている一人。若い頃に船乗りとして訪れたチリでワインと出合い、のめり込み、単身欧州に渡って猛勉強したという。

偶然出合ったものから得た大きなインパクト。それを消さずに自分の中で解釈し、育て、生涯を懸けてそこに近づこうとする――これこそ1回きりの人生の望ましいあり方ではないか。それには常に感動する心を持ち続けることだけでなく、強い意志と柔軟な心が必要なのだ。

何かを成し遂げた人がしばしばそうであるように、熱田氏は誰でも受け入れることのできる広い心の持ち主だ。将来、海外に飛躍する契機として、若い人たちにぜひ一読を勧めたい。