真っ先に飛び込み、辛抱し続けて得られたもの

ポプラ社は、他の出版社に先駆けて、未成熟だった中国絵本市場に飛び込んだ。そこで、何を得たのだろうか?

「長年辛抱強く市場を切り開いてきたことで、中国の各界や読者から認められる絵本ブランドとしての位置と信用を築くことができました。絵本が普及した今、多くの新規企業が参入しています。ただ、競争が激しく動きが早いこともあり、初期に参入した弊社のような企業ブランドやロングセラータイトルを生み出すのは難しい状況です」(石川氏)

“いやあ、まだまだでしょう”“全然たいしたことない”などと傍観しているうちに競争のフェーズは次々進み、どんどん参入障壁が高くなっていく。そしてしまいには指をくわえて見ているか、不利な条件をのむしかなくなるのだ。

いずれ大きくなることが見えているなら、早いうちに挑戦を開始し、志を持って粘り強くやり抜いた方が、果実は得られる。いまや中国の人口は日本の11倍、GDPは日本の約3倍だ。しかし20年前の中国のGDPは日本の約4分の1にすぎなかった。その20年前に決断できたからこそ、今日の蒲蒲蘭の成功がある。

【関連記事】
神戸→上海で"ホテル隔離"を体験した中国人が驚く「中国と日本の違い」
「学校では教えてくれない」しつけに困った親が読ませる「子ども向け実用書」の中身
日本人の「手作り布マスク」を見て、中国人が「この発想はなかった」と感動するワケ
コロナ地獄の中で、神対応が話題の各国リーダーたち。一方で安倍晋三は…
「オンライン授業だけでは不十分」現役教師が声を挙げるワケ